北海道と宮城県を舞台にオールロケで繰り広げられる、頑固な祖父・忠男(仲代達矢)と孫娘・春(徳永えり)の二人旅を綴った映画『春との旅』。昨年5月の公開以来、口コミで評判となり異例のロングランヒットを記録し、1月21日にDVDがリリース。日本を代表する名優・仲代達矢と真正面からぶつかり合った女優・徳永えりに話を聞いた。

徳永えり
1988年生まれ。大阪府出身。O型 拡大画像を見る

――あらためて徳永さんにとっての『春との旅』を振り返ってもらえますか。

徳永「公開時から思っていたことなんですけど、いろいろな人に見てもらうべき作品だと思います。年代を問わず、見る人が変わると感じることも変わりますし、今の社会とリンクする部分もたくさんあると思います。女優としては今までとは違う経験が出来たのはとても大きかったですし、自分の中でステップアップにもなったと思いますので、次に越えなければいけない壁は確実にこの作品だと言えますね。まだまだ課題は多いですが、階段を一段くらいは上れたような気はします」

――特に印象に残っているシーンは?

徳永「やはりクライマックス近く、仲代さんとそばを食べるシーンは思い出深いですね。ほかにも、二人でただ歩いていたり、食事をしていたりする、なにげないシーンが私は好きです。歩き方や動きひとつ取っても、その役の生きざまというか人間性がとても出ている作品だと思うんです。冒頭のシーンで家を出た忠男を春が必死に追いかけますが、そこに二人のすべてが象徴されているといってもいいかもしれません」……続きを読む