テスト環境

さて製品である。AMDのリファレンスはRadeon HD 6850(Photo11)、6870(Photo12)ともにやや角ばったパッケージになった事を示している。底面まで含めて全体をカバーするというデザインはRadeon HD 5800シリーズと同じだが(Photo13)、後面の処理などはだいぶ変化している(Photo14)。これはRadeon HD 6870も同じである(Photo15,16)。ちなみにコネクタ類は大きく変わっており、基本はDVI×2、HDMI×1、Mini DisplayPort×4になっている(Photo17)。

Photo11: これはAMD提供のサンプル写真より。上面のスリットがより強調された。

Photo12: これもAMD提供。スリットのデザインが6850とも異なったものになっている。

Photo13: ちょっと角ばった感じのデザインに変わった。

Photo14: 背面カバーはなし。電源コネクタの着脱がしやすいように大きくえぐれているのは嬉しい。

Photo15: Radeon HD 5870に比べるとやや短くなったし、微妙に軽くもなった。

Photo16: 後面のデザインは大きく変わることに。

Photo17: 上がRadeon HD 6870、下が比較用に並べたRadeon HD 5870である。

3枚のカードを並べるとこんな感じである(Photo18)。ちなみに寸法及び重量は表1の通り(いずれも実測値)である。

Photo18: 奥からRadeon HD 5870、Radeon HD 6870、Radeon HD 6850である。長さが短くなってマザーボード上の配線との干渉に悩まなくてもよくなったのは朗報と言える。

■表1
製品 カバー長 基板長 重量
SAPPHIRE Radeon HD 6850 215mm 213mm 487g
AMD Radeon HD 6850 Reference 228mm 229mm 617g
AMD Radeon HD 6870 Reference 250mm 242mm 903g
ATI Radeon HD 5870 Reference(参考) 280mm ??? 947g

ちなみに今回は手配の関係で、Radeon HD 6850に関してはSAPPHIRE Radeon HD 6850を借用した(Photo19~21)。

Photo19: パッケージはこんな具合。3D性能を前面に打ち出しているが、今回3Dに関してはテスト無しである(申し訳ない)。

Photo20: ヒートシンクやカバーは独自デザインとなっており、そのため随分軽くなっているのが判る。ちなみにMini DisplayPortはなく、DVI×2、Display Port、HDMIの4出力構成である。

Photo21: Photo14と見比べていただくと判るが、GPU周辺はともかくそれ以外は結構基板パターンが異なっていることが判る。また2つ目の6pin 12V電源コネクタのパターンが用意されているあたり、同社はこの基板を使ったRadeon HD 6870も計画しているのかもしれない。

ベンチマーク環境は表2に示すとおりである。今回はこれにRadeon HD 5770も借用し、Radeon 5000世代vs6000世代ということで比較をしてみることにした。ちなみにAMDによれば、今回利用したドライバ(Oct5_8.782RC2)は現在WHQL認定を取得中のためRC2扱いになっているが、問題なければCatalyst 10.10正式版として公開の予定という事だそうだ。

■表2
CPU AMD Phenom II X6 1090T
M/B ASUSTeK MA89TD PRO/USB3
Driver AMD Chipset Driver V3.0.765.0
BIOS BIOS 1006
Memory CFD W3U1600HQ-2G PC3-12800 CL9 2GB×2
Video Radeon HD 5770 Reference
Radeon HD 5870 Reference
SAPPHIRE HD6850
Radeon HD 6870 Reference
Driver AMD_Win7_Vista_Radeon_HD6800_Oct5_8.782RC2
HDD HGST Deskstar HDP725050GLA360 500GB×2 (RAID0, NTFS)
OS Windows 7 Ultimate 64bit 日本語版

ちなみにGPU-Zの結果(Photo22,23)はこんな具合だ。

Photo22: Radeon HD 6850。PCIのSubvendorがSAPPHIREになっているのが判る。なぜかBus Widthが128bit扱いで、帯域も本来の半分として検出されている。

Photo23: Radeon HD 6870。こちらもBus Widthが128bit扱いである。