考察

ということで、簡単にCore i7-970の比較をお届けした。個人的にはこの製品の購入を考慮されるユーザーの中には、結構な割合でOverclocking動作を考えている人がいるのではないかと思うのだが、あいにく今回は機材の手配主の都合でOverclocking厳禁ということで、あくまで定格動作でのテストとなった事をお詫びしておく。

さて、製品のポジションは? というと微妙である。これなら、もう1万強足してCore i7-980Xを買ったほうが自由度は高い気がするが、性能そのものは今回見てきたとおり大きく変わらないので、1万円安くてお徳という話もある。絶対的な金額が高いし、X58マザーボードと3ch分のメモリが必須だから、そもそも敷居が高いとはいえるわけで、予算がぎりぎりの人にはこの1万の差はうれしいかもしれないが、であればそもそもCore i5-800シリーズを検討するという選択肢もありそうだ。エンコードやレンダリングといったシーンでCore i5-650が及ばないのは当然予想できたが、3Dゲームでもかなり差がついている結果が少なくないあたりは、少しづつマルチスレッド対応ゲームが増えてきたという事であろう。

このあたりを勘案しても、「買いか?」と問われるとちょっと返事に困る。「値段相応」という答えかたはできるのだが、それは答えになっていないだろう。もう2万位安ければかなりお買い得と言えるのだが。そういう意味でも、Core i5-870あたりとの比較も行うべきだった、というのが筆者の感想である。グラフ17でも判るようにCore i7-750ですら結構良いスコアなのだから、Core i7-870ならば3Dゲームでの結果はもう少し肉薄しそうに思える。そんな訳で「予算にゆとりがあり、性能を求める方はどうぞ」という、誠に歯切れの悪いメッセージを今回の結論としたい。