【レビュー】

プロイラストレーターによる「Bamboo」最新版徹底レビュー

1 ペンタブレットとは

    まつむらまきお  [2009/10/08]

    ワコムのペンタブレット「Bamboo」はペンタブレットの入門用、普及機と位置づけられているシリーズ。その確かな性能と手頃な価格で幅広く支持されている。今年4月にモデルチェンジした上位機種「Intuos4」に続き、今回フルモデルチェンジでの登場となった。

    ペンタブレットの必要性

    中学生の娘に聞いた話だが、美術部所属の友人が今一番欲しいアイテムは「ペンタブ(ペンタブレット)」だという。一昔前まではプロ用の周辺機器だったペンタブレットが、今や中学生でも知っている存在となっているということだろう。たしかにネットを見ても「Pixiv」などのイラストサイトや、お絵かき掲示板が好評だ。イラストは本格的な絵画と比較してとっつきやすく、デジタルペイントのノウハウはネットから得ることができる。パソコンの普及率がピークである現在、デジタルペイントはアナログ画材よりも身近な存在といえるだろう。アナログ画材を揃えるとすぐに1~2万円になる上、そのほとんどが消耗品だ。今回紹介するワコムのペンタブレット「Bamboo Fun」はデジタルペイントの要となるペンタブレットに、数種類のデジタルペイントアプリケーションがバンドルされた製品で、価格は1万2,980円(スモール)、1万9,980円(ミドル)。パソコンをすでに持っていれば、手を出しやすい製品だ。

    今年9月に発表された最新ペンタブレット「Bamboo」シリーズ

    ここで、ペンタブレット未経験者のためにマウスとの違いを整理しておこう。

    ・ドラッグ操作が楽
    ポインタの移動はペンを少し浮かした状態で行い、ペンを盤面につけて滑らすと、ドラッグになる仕組みになっている。マウスと比べて、ドラッグ状態での操作がしやすいため、絵が描きやすい。
    ・筆圧検知
    マウスはボタンを押しているか、離しているかだけを判断するのに対し、ペンタブレットはどれくらいの圧力でペンを押しつけているのかを感知できる。アプリケーションが筆圧に対応している場合、弱く書けば薄く、強く書けば濃く、といった筆や鉛筆同様の表現が可能だ。
    ・長時間のポインティング作業で負担が少ない
    長時間、マウスのみの操作を続けるのは苦痛だが、ペンだとまず姿勢が楽。マウスは移動距離を測定しているのに対し、ペンタブレットは盤面の座標が画面の座標に対応しているため、画面の端から端までポインタを移動させるときでも瞬時に操作できる。特に大型ディスプレイの場合、タブレットは快適に操作できる。

    筆圧を太さ、濃さそれぞれに対応させて書いたもの。下はマウスで書いたもの。マウスでは線の強弱を表現できないのに対し、ペンタブレットでは筆圧で表現できる

    以上の理由から、イラストや画像編集はもちろん、長時間ポインティング作業を行う音楽や映像編集を行うクリエイターなどに、ペンタブレット愛用者が多い。

    Intuos4とBambooの基本性能比較

    ワコムのペンタブレットには、プロユース向けの上位機種「Intuos」と、初心者~一般ユースクラス機種「Bamboo」のふたつのブランドがある。初心者にはこの2機種の違いがわかりにくいため、最新モデルIntuos4とBambooの基本性能を比較してみよう。

    ・筆圧感知レベルがIntuos4の半分
    筆圧感知レベルとは、指先の力加減がどれくらいなめらかに、色の濃さやブラシの太さの変化として現れるか、ということ。数値が小さいと変化がぎくしゃくしてしまう。Intuos4が2048ステップに対して、Bambooは1024ステップ。半分というと、随分劣るように見えるが、旧モデルBambooは512ステップ、「Intuos3」は1024ステップという性能だった。このことを考えると、この春までプロユースモデルとして販売されていたのと同等まで、性能アップがなされたわけで、充分にプロユースにも応えることができるスペックといえる。
    ・ペンの傾き感知がない
    傾き検知とは、ペンの向き、傾きを検知する機能で、Bambooには搭載されていない。「PhotoShop」や「Painter」といった対応アプリケーションでは、ペンの向きと画面上のブラシの向きを一致させることができ、現実の平筆のような表現ができる。もっとも、楕円などのブラシ形状でなければ傾きは関係ない。

    Intuosで楕円のブラシを使った例。ぺンの傾きにあわせて、ブラシの方向を変えられる。Bambooでは常に同じ方向をむいたブラシになってしまう

    ・カスタマイズ性が低い
    Intuos4には特殊な形状のペンなど、様々なオプションが用意されている。ソフト的にはドライバの設定で使用アプリケーション別に様々なセッティングを保存できるなど、用途によってカスタマイズできる幅が広い。それに対し、Bambooではオプション機器はなく、ドライバも必要最小限の設定はあるが、アプリケーション別の設定が不可であることなど、簡易的なものになっている。

    Bamboo(左)とIntuos(右)の環境設定パネル。Intuos4はアプリケーションや複数のペンごとに設定変えられるなど、描くプロのための仕様。Bambooはシンプルで最低限

    このように、Intuos4にはプロ向きの機能が搭載されているわけだが、それらの機能はペンタブレットをかなり使いこなしている人にしかありがたみのないもの。それらを省いてコストダウンを図ったのがBambooであり、普及機と言われる所以だ。しかし、今回のBambooには、Intuos4にも搭載されていない最新機能が搭載され、従来のIntuosユーザーにとっても気になる存在となった。

    関連したタグ

    新着記事

    特設サイトの情報

      人気記事

      一覧

      イチオシ記事

      新着記事

      特別企画

      マイナビニュースマガジン