プロイラストレーターによる「Bamboo」最新版徹底レビュー

同製品を利用したイラスト制作

Bambooの性能を試すため、筆圧を使ったイラストを描いてみた。薄い透明色の塗り重ねも、気持ちよく筆圧でコントロールできる。 難易度の高いペンの入りや抜きも旧モデルより自然に反応してくれる。

ディテールのズームアップやスクロールは指で快適に行える。従来のトラックパッドは操作するため、視線を画面から盤面に移動して場所を探さなくてはいけなかったが、同製品では盤面のどこでもスクロール作業ができるので、画面から目を離す必要がない。そのため描くことに集中できる。この点は非常に素晴らしく、Intuos4になぜこの機能がないのか悔しくなった。「取り消し」などのよく使うコマンドは、ファンクションキーに割り当てておくことにより、絵を描いている最中はほとんどキーボードにアクセスせずに済んだ。キャンバスの回転は便利だが、対応しているソフトが少ないのでやや残念。指の回転角度と画面の回転角度がほぼ一致するが、時折廻りすぎたり反応が悪かったりするのが気になった。

まとめ

新機能のトラックパッド機能は対応ソフトがまだ少なく過度の期待はできない。しかし、絵を書いている途中に、インターネットで調べ物をしなくてはいけない場合、マウスに持ち替える必要がなくブラウザを指で操作できるので、非常に効率良く作業でき、快適だった。試用したのがミドルサイズで盤面が大きかったため、手が触れてしまう誤操作も多くなってしまったが、スモールサイズならそういった誤操作はだいぶ解消されるだろう。また、Excelなどのビジネスユースでも、自在にスクロールできる大型トラックパッドとして活用できそうだ。実際、そういった用途も想定されているようで、ペンが付属しないパッケージ「Bamboo Touch」や、付属アプリがないパッケージ「Bamboo Pen&Touch」も用意されている。そのほか、トラックパッド機能や各ボタンの機能はオフに設定することで誤操作を避けることができる。タッチ機能は万能ではないが"ペンで描く"という基本性能は充分なので、旧Bambooからの買換でも十分満足できるはずだ。ただし従来付属していたタブレット専用ワイヤレスマウスは廃止(別売もなし)されたので注意すること。