【レポート】
2010年3月の開港に向けて、茨城空港の建設が進められている。
茨城空港は日本で99番目の空港であり、政府が新空港の建設計画を抑制していることから、"最後の地方空港"とも呼ばれている。ただ、この空港はこれまでの地方空港とは異なる方向性を持つ。
まず、海外で成長著しいローコスト・エアライン(LCC)が就航する空港をコンセプトに建設が進められている点が挙げられる。当初は国内線が中心の、いわゆる普通の地方空港が前提だったが、国内の航空会社が就航の意志を明確にしなかった。そこで、二年前にLCCを誘致すべく舵を切ったのだ。
LCCとは、運賃の安さを武器に欧米やアジアで急成長する、従来の大手航空会社とはビジネスモデルを異にする格安航空会社。インターネットでの航空会社直接の予約が中心で、機内食などのサービスは基本的に有料である。欧米では航空シェアの約30%を占め、アジアでも10%を超え、その割合は年々上がっているとされる。アジアには、日本市場への参入を狙っているLCCが複数あり、茨城空港は彼らを取り込む作戦に出たのだ。ただし、安い運賃を提供するLCCの誘致には、「コストの安い空港」にすることが必要不可欠な要素となる。
そのため、茨城空港は、旅客ターミナルの設計を簡易な構造に変更した。出発と到着の旅客動線を1階に集約するコンパクトな設計とし、同時にエレベーターやエスカレーターなどの設備を最小限に抑えた。ボーディング・ブリッジもやめ、搭乗者の乗降はタラップで行う。さらに、飛行機の駐機は自走式とし、牽引車は使わない。「日本には手本となる空港がなく、オーストラリアのゴールドコースト空港などを参考にした」(薮中克一・茨城県企画部空港対策課長)というが、まさに日本初のLCCターミナルというわけである。航空自衛隊・百里基地との共用空港であるため、事業費が比較的少なく、通常、地方空港の事業費は500億円前後とされるが、茨城空港は約220億円しかかかっていない。その「格安」な事業費が、空港コストの安さを求めるLCCの誘致を可能にしているのだろう。
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