画質については、被写体によって波がある印象を受ける。提示サンプルは、NikonのCoolPix S620で撮影した画像を印刷し、350dpiでスキャンしたものである。まず分かるのは、自動的にトリミングされる量が非常に多い点だ。Wasabiで印刷することを前提とした写真を撮るなら、やや大袈裟にズームアウトするぐらいでいいだろう。

クオリティについては、、無地部分が少ない写真(悪く言えばゴチャゴチャした写真)はそれなりに印刷されている印象を受ける。もちろんインクジェットプリンタで印刷したものとは比較にならないが、クオリティをそれほど気にせず、手軽に印刷するようなシーンでは悪くないレベルだ。

一方で、空や壁のように無地の部分であったり、同色が重なるような部分では、偽色ともちょっと違う不自然な色合いになったり、輪郭が潰れてしまったりする。無地部分が多いと、スジやムラが浮かぶ傾向にもあり、被写体によっては妥協しづらい写真になってしまう。味がある雰囲気とも言いづらく、ある程度、割り切って使うべきだろう。ZINKペーパーのテクノロジ的に画質向上が目指せるのであれば果たして欲しいし、Wasabi側でセピア化や白黒化をするといった、ユーザーを楽しませる方向性の進化も考えられそうだ。

被写体へのフォーカスがはっきりし、背景のボケた部分もゴチャついている、このような写真はわりと良い傾向を見せる(元画像:ph17s.jpg)

菜の花一色といった感じの被写体。同色が隣接している部分が多いサンプルといえるが、その輪郭は潰れている(元画像:ph18l.jpg)

この写真も少々ゴチャゴチャした感じで、まずまずの印刷例となった。ただし、旗や壁の無地部分はスジが目立つ(元画像:ph19l.jpg)

色合いは地味な絵ではあるが輪郭はハッキリした部分が多い写真。細かいディテールは当然潰れるが、印刷はまずまず(元画像:ph20l.jpg)

今回のテストで最悪の結果となった例。飛行機自体はまずまずだが、空の無地部分に多数のスジが浮かんでしまっている(元画像:ph21l.jpg)

これもあまり良くない結果となった例。コントラストが必要以上に強くなって不自然になっているうえスジも目立つ(元画像:ph22l.jpg)

若干暗めではあるが、こうした鮮やかで情報量が多いような写真は、やはりまずまずの印刷結果を見せる(元画像:ph23l.jpg)