因幡の白兎と大国主大神の像

先日、縁結びの神様として有名な島根県にある出雲大社に行ってきた。出雲大社の正式名は「いずもおおやしろ」。でも一般的には「いずもたいしゃ」と言われている。出雲大社の御祭神は、因幡の白兎神話にも登場する「大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)」。一般的には、「大黒様(だいこくさま)」といわれている肩に大きな袋をしょった神様だ。

なぜ縁結びの神様と言われているかというと、大国主大神が、天照大神(あまてらすおおみかみ)に国譲りをした際、目に見えない「縁」を結ぶことを司どることになったことによるとか。また、旧暦10月は全国の神々が出雲大社に集まり、大国主大神の御許で縁結びの神議をされるという故事により、縁結びの神と称されるようになった。など、いわれている。

出雲大社の正門鳥居

この「縁結び」とは、単に男女の縁を結ぶだけでなく、あらゆる幸せの縁が結ばれるということ。そのため、お参りすればあらゆる良縁に効果をもたらすそうだ。旧暦の10月を普通は「神無月」と呼ぶが、ここ出雲の国だけは全国の八百万の神様が出雲大社に集まることから、「神在月」(かみありづき)と呼ばれていた。ちなみに、この神在月に振る舞われていた「神在(じんざい)餅」がなまって「ぜんざい」となり、全国にひろまったといわれている(他説あり)。だから、出雲ではぜんざいが名物だ。「出雲そば」も名物なので、しっかり食べた。

御祭神である大国主大神のお住まいである国宝の本殿を修理するために、今年2008年4月に大国主大神を御仮殿へ遷っていただく「仮殿遷座祭」が行われた。それで、いつもは拝観することができない本殿を、特別に拝観することがきた(現在は終了)。拝観料は、なんと無料。次回拝観できるのは60年後ということなので、今回拝観しておかないと来世でしか拝観できないかもしれない。そのため、大勢の人が拝観に来ていた。

仮本殿前の私

やはり、60年に1度しか見られないと言われると誰でも見たくなるようだ。かくゆう私もそれで見に行ったのだけれど。春の拝観期間には、拝観するのに6時間も並んだとか。倒れる人が続出したそうで、整理券が配られるようになった。私も朝早くに行って10時30分の整理券をゲットした。10時30分に集合場所のテントに行き、拝観にあたり説明を聞く。「拝観するためには、礼を正した服装でないといけないです。ジーンズやノースリーブ、サンダルのような格好では失礼にあたるので、拝殿へのお参りはできません。本殿の写真撮影も禁止です」とのこと。しばらく待った後、何人かごとに区切って本殿に案内される。本殿の天井に描かれた、7つの雲の絵が美しかった。今の拝殿が出来た延亨元(1744年)から一度も塗りなおしたことがないというわりには色がきれい残っている。描かれている雲は7つだけど「八雲(やくも)の図」と言うそうで、「八」は「8つ」ということはではなく「たくさんの」という意味だと神社の方が説明してくれた。

この本殿は階段を上った高い位置にあり、高さ24m。社伝によれば平安時代にはもっと高い16丈(約48m)もあったとか。2000年に、その社伝を裏付けるような、巨大な柱が出土した。その巨大柱を三本束ねてとっても高い本殿を支えていたようだ。その古代出雲大社本殿の模型は、出雲大社のそばにある「島根県立古代出雲歴史博物館」に展示されている。

島根県立古代出雲歴史博物館

見に行ったら、すごく長い柱の上に本殿が建てられていた様子がよくわかった。出雲大社の境内の広さは約2万7000平方メートル。正門鳥居を抜けた参道からみごとな松並木が続く。この松並木は、「松の馬場」とも呼ばれ、日本の名松100選にも指定されているそうだ。

境内へ一直線に続く松並木の参道

国宝の本殿を中心に拝殿、摂社8社、末社3社、文庫、宝庫、彰古館など数多くが建ち並んでいる。彰古館に入館したら、大黒様コレクターから寄付されたというたくさんの大黒様の像が並んでいて、なかなか見ごたえがあった。

大黒様の像がたくさん展示されている彰古館

おみくじがたくさん結びつけられている木

神社の参拝といえば、「二礼二拍手一礼」が普通だが、出雲大社では、「二礼四拍手一礼」で行う。ちょっと変わっている。あと、おみくじも変わっている。出雲大社のおみくじは、大吉や凶が書かれていないのだ。なんでも心を込めて引けば、その時に必要なメッセージが与えられるのだそうだ。おみくじは、100円。ちなみに私の引いたおみくじには「恩を知るは最も大切である~」と書かれていた。

恩に感謝してすごさねば。たくさんの人がおみくじを引くようで、境内のあちこちの木にすごい数のおみくじが結び付けられていた。

本殿の西の神楽殿にあるしめ縄は長さ13m、周囲9m、重さ5tの日本一の大きさ。そのしめ縄にお金を投げ入れて、しめ縄の先にさしはさまると願いがかなうといわれていて、たくさんのお金がはさまっていた。私も早速チャレンジしたら、一発ではさまった。すごい! 願いが叶うかも。

帰りに読者プレゼント用に「しあわせの鈴」を購入してきました。朝夕にこのしあわせの鈴の音に合わせて、「幸魂(さきみたま)、奇魂(くしみたま)、守給(まもりたまえ)、幸給(さきはえたまえ)」と一心に念じて「まこと」の生活を続けると大国主大上様から大きなご縁をさずかるそうだ。希望者はこちらまでご応募くださいね。

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しあわせの鈴

出雲大社

所在地島根県出雲市大社町杵築東195
定休日 無休
アクセス山陰道斐川ICよりR9を出雲市方面へ、県道28号線経由出雲大社方面へ。車で約30分。一畑電鉄「出雲大社前駅」より徒歩約10分。JR出雲市駅より一畑バス「出雲大社」、「出雲大社・日御碕」行きバス「出雲大社」バス停下車(徒歩約1分)