こんにちは、阿久津です。Windows 10の「設定」はコントロールパネルに代わってOSの各種設定を制御するアプリケーションですが、利用者に使用を制限したい場合もあるでしょう。

例えば、コントロールパネルの「ネットワーク」を非表示にする場合、HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Networkキー、もしくはHKEY_CURRENT_USERキーの同じキーにDWORD値「NoNetSetup」を作成し、データを「1」に変更します。

もっともWindows 10はコントロールパネルを廃止する方向性を示しているため、今後これらの知識は役に立ちません。そこで今回は、Windows 10の「設定」に対して、特定の項目を非表示にするチューニングを紹介しましょう。

1. 管理者権限でレジストリエディターを起動します。
2. レジストリエディターが起動したら、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorerキーを開きます。
3. 文字列値「SettingsPageVisibility」を作成し、データを「hide:recovery」に変更します。
4. レジストリエディターを終了します。

これで操作が完了しました(図01~06)。

図01 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「regedit」と入力して、<OK>ボタンをクリックします

図02 レジストリエディターが起動したら、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\ CurrentVersion\Policies\Explorerキーを開きます

図03 Explorerキーを開いて右ペインの何もないところを右クリック。<新規>→<文字列値>と順にクリックします

図04 値名を「新しい値 #1」から「SettingsPageVisibility」に変更します

図05 文字列値「SettingsPageVisibility」をダブルクリックで開き、データを「hide:recovery」に変更します

図06 レジストリエディターを終了します

それでは結果を確認しましょう。任意の操作で「設定」を起動して<更新とセキュリティ>を開いてください。チューニング前はサブ項目として並んでいた<回復>が表示されなくなりました(図07~08)。

図07 チューニング前の「設定」。この時点では<回復>を確認できます

図08 チューニング後は<回復>が表示されなくなりました

本チューニングはコマンドラインなどから各設定項目を呼び出す「ms-settings」を利用しています。ステップ03で指定した「recovery」は<回復>を指す文字列のため、チューニングを施したPCでは項目が表示されません。なお、「ms-settings:recovery」と実行しても<回復>は開きませんでした。

複数の項目を非表示にする場合は、セミコロン(;)を使用します。例えば<システム/バージョン情報>を追加する場合は、データを「hide:recovery;about」と書き換えてください。特定の設定項目だけを表示する場合は「hide:」ではなく「showonly:」を使います(図10~12)。

図10 特定の項目のみを表示する場合は「showonly」を使います。上図は<システム/ディスプレイ>および<システム/バージョン情報>のみ表示するよう指定しています

図11 <システム>のみが表示されるようになりました

図12 サブ項目は<ディスプレイ><バージョン情報>のみとなりました

なお、今回のチューニングはWindows 10 バージョン1607では動作せず、Windows 10 Insider Preview ビルド15046で動作を検証しています。近々リリースする可能性が高いWindows 10 Creators Updateでも確認できるでしょう。結果を破棄する場合は、文字列値「SettingsPageVisibility」を削除します。

それでは、また次号でお目にかかりましょう。

阿久津良和(Cactus)