個人的にスマホはずっと裸族で、ケースなどはつけないで使ってきたのだが、この1年くらい、やわらかいTPU製の透明ケースをつけ、それを肩から斜めがけして携行するようになって、その実用性に手放せなくなってしまった。

少し、紐を長めにしておけば、パンツのポケットに入れられるので、ちょっと激しく動いてもスマホがバタバタすることもない。

  • Pixel Foldを持ち歩くのにショルダーストラップが役に立っている

難点があるとすれば、これまで使ってきた透明ケースは、時間がたつとだんだん黄ばんでくることだった。黒っぽいスマホなので、目立たないといえばそうなのだが、やっぱり気になる。そこで、別の素材を物色してみたところ、世の中では今、アラミド(繊維)素材というのが流行っていることを知った。

よく似た素材としてカーボン繊維があるが、導電性、耐摩耗性、電波透過性の点でアラミド繊維が優れているという。古くからあるスーパー繊維で、デュポンのケブラーや帝人のテクノーラとしても知られている。軽さについても優れているため、ケースどころか、スマホの本体の背面パネルなどにも使われることがある。

アラミド素材のスマホケースを探しているときに見つけたのがPITAKAというベンダーだ。アラミド素材のケースと、iPhoneでお馴染みのMagSafeマグネットを内蔵した各種ケースを発売している。メインはiPhone用の製品だが、サムスンのGalaxyやGoogle Pixel Fold用のものも提供されている。今回は、Pixel Fold用の「MagEZ Case 3 for Google Pixel Fold」を試してみた。

充電速度はやや遅ながら、MagSafeにも対応

確かに軽くて薄い。1ミリ未満という薄さなのにマグネットが内蔵され、iPhoneで使われているMagSafe充電器にちゃんと貼り付く。対応モバイルバッテリもちゃんと使えた。

ただ、充電速度は遅いというのは対応電力量に依存するし、ケースも若干の電力ロスを招く。数時間しか眠れないがスマホは満充電をめざしたいというならケーブルを使って充電することをお勧めする。

スマホ用のワイヤレス充電器は充電中にずれてしまって充電が停止することがよくあるので、好んで使うことはなかったのだが、これならいいんじゃないかと思い直した。寝る前にセットしたつもりが、朝起きると外れていて充電ができていないということが本当によくあったからだ。

  • PITAKAのPixel Fold用ケース「MagEZ Case 3 for Google Pixel Fold」を装着してみたところ

  • AnkerのMagSafe充電器と組み合わせてみるとしっかりくっつき、充電できている

300グラムを超えるとどうしても肩掛けしたい

今回使ってみたPITAKAのケースは折りたたみスマホとしてのPixel Fold用で、カバーは折りたたんだ状態の表面用、裏面用の2パーツに分かれている。

表面にはディスプレイがあるので、バンパーのみ、裏面はカメラレンズの部分以外が覆われる。2パーツあわせての重量はカタログスペックで21グラムだ。

  • 「MagEZ Case 3 for Google Pixel Fold」ケースの裏面。レンズとヒンジ以外が覆われる

あの重いPixel Foldがさらに21グラム重くなるかと思うと憂鬱だが、ここはもう背に腹は代えられない。なにしろ裸で283グラムだから、ケースをつけると300グラムを超える。この重さだからこそ肩から斜めがけしたくなるのだ。

そして、今や、100円ショップなどで簡単に入手できるようになった肩掛け用ショルダーストラップとストラップホールシートを使って肩からかけられるようにする。

  • 100円ショップのストラップコーナーには、多彩な肩掛け用ショルダーストラップが並んでいる

ケースは防御よりも差別化要素の1つになった

本当は、ケースなんてつけないほうが数十グラムとはいえ軽くなるし、本体の薄さや質感も手のひらで直に楽しめる。

その一方で、落下や衝撃などで傷つく機会は多くなる。それよりもなによりも、今はもう、傷つき防御というよりも、ケースの利用はおしゃれや趣味趣向の意味合いが強くなり、差別化の重要な要素になってしまった。

スマホ本体に並んでケースをどうするかという悩みどころに進化している存在だ。きっと、斜めがけするなら、ストラップの色についても気にするに違いない。

一般的なスマホは200グラム前後の重さだ。首からさげるには、ちょっとつらくなりつつある。首からさげるなら150グラムを少し超えたあたりが限界だ。

だからこその肩かけなのだが、このソリューションにはちょっと長めの過渡期が続いていて決定版はまだない。セメダインのはがせる粘着剤「BBX」などで、ストラップホールシートをスマホの裏面に直付けすることなども試してみたが、さすがにちょっと不安だ。

当面は、軽くて薄いアラミドに頼り、PITAKAの製品のようなケースのお世話になるのがよさそうだ。