――天海吾郎の魅力について、どう感じていますか?

登場人物の中で最も裏表があり、闇の部分を感じるキャラクターだと思います。しかし、ドラマの後半にかけて最初に見せていたのとは違った彼の人間性が徐々に明らかになっていきます。それを逆算しながら、終盤にかけてイメージを裏切っていくことを意識していました。天海の隠されていた部分が明らかになるところに、ドラマを引っ張っていく魅力があるんじゃないかと僕は思っています。

――天海に共感するところはありますか?

天海は恨まれる立場ではあるのですが、「その状況になったら、そう立ち回るしかないよな」と感じるところはあります。僕は天海について否定的に捉えることはなく、すごく正直な人間味があると思います。ただの冷酷な人間にはしたくないと思って演じていますね。

天海と僕の共通点はあまりないのですが、あえていうなら“不動産好き”ということくらいでしょうか(笑)。間取りを見るのが好きで、物件を選ぶときは多くの条件を吟味します。ほぼ毎日スーパーに行くので、徒歩圏内にあるかどうかとか。今住んでいるところは、毎日とんでもない西日が差し込んでくるので、「日当たりをもっと考えなければいけなかった」と反省しているところです。

「どんな場所でも事故物件じゃないか」

――「事故物件」が重要なドラマの重要なキーワードですが、大谷さん自身は不動産を選ぶとき気にしたことはありますか?

考えたこともなかったです。僕は霊感はないし、特殊能力とかは疑ってみてしまうところがあります。天海は、心霊現象に関して何かしら利用しようとする立場の人間なので、緋山たちとは少し見方が違っていますね。

もし、若くて生活に余裕がないときに賃料の安い事故物件に出会っていたら、躊躇(ちゅうちょ)なく入居していた可能性はありますね。歴史を振り返ったら、どんな場所でも事故物件じゃないかと思ってしまうんです。もしかしたら、ここだって大昔に侍が切腹していたかもしれないですから。

――最後に、作品の見どころを教えてください。

撮影中も、台本が面白いとキャスト同士でよく話していました。先の台本がくるのが待ち遠しかったくらい、謎に迫っていくストーリーが非常に面白い作品です。僕自身、最終話に行き着くまで謎解きをしている楽しさがありました。簡単には解けない謎ですが、随所に散りばめられているヒントや、主人公の緋山の力で真相が暴かれていくのを楽しんでもらえたらと思います。