アイドルや俳優としての活動にとどまらず、バラエティ番組、YouTube、そして今回の新書の出版など、近年ますますマルチに活躍している二宮。新書では、独立後の仕事への向き合い方の変化についても触れているが、改めてどのような変化があったのかと聞くと、「より責任を持つようになりました」と言う。
「すべての依頼された仕事を自分が見るようになって、『断るのも仕事の1つなんだ』と初めて知った、といいますか(笑)。前の事務所に所属しているときは、(自分に一番合う仕事を)プロの人たちに考えてもらって、自分のところに来たものを読み込んで理解して表現する、という仕事の仕方だったけど、今はお受けするものも、お断りするものも、すべて平等に時間を費やして向き合っている。それが仕事に対しての向き合い方で変わったところですね」
そうした周囲との関わりを経験する中で、実感しているのは人に恵まれている、ということだ。二宮は「『この人、マネージャーも何もいないから、こっちがケアしなきゃ』と動いてくださる方もいて。僕は常々、すごく“共演者運”と“スタッフ運”がいい人間だと思っているのですが、それがずっと続いていて、いい人たちにケアしてもらいながら展開できていると感じています」と語る。
そのような、二宮のさまざまな考え方が盛り込まれた一冊。刊行を控え、今はどのような心境でいるのか。
「新書がまだ出ていない状態なので、世の中に出てから感じる部分が多いのかなと考えています」と二宮。「手に取って読んでいただいて、読んだ人にとってどこがしっくりくる設問なのか、それが見えてきた段階で、ようやく『そういうことなんだ』と自分の中で合致するのかな、と思います」と笑顔を浮かべて語っていた。
1983年6月17日生まれ、東京都出身。1999年に嵐のメンバーとしてCDデビューを果たす。以降、映画やドラマ、バラエティなどで幅広く活躍。近年の主な出演作はドラマ『ブラックペアン』シリーズ(18年、24年)、『マイファミリー』(22年)、『VIVANT』(23年)、映画『ラーゲリより愛を込めて』(22年)、『アナログ』(23年)など。8月29日に主演映画『8番出口』が公開。
撮影/Sai