ヤマハミュージックジャパンは、独スタインバーグの開発による楽譜作成ソフト「Dorico(ドリコ)Pro」と「Dorico Elements」の最新版となるバージョン5を発表し、 ダウンロード販売を開始した。 価格はオープン、Steinberg Online Shopでは、「Dorico Pro(通常版)」が76,296円、「Dorico Elements(通常版)」が11,979円となっている。

  • 楽譜作成ソフト「Dorico(ドリコ)」シリーズ

「Dorico Pro」と「Dorico Elements」は独スタインバーグの開発による楽譜作成ソフト。今回のバージョン5では、記譜モードに新たなテンプレート「ステージ」と「スペース」の追加、再生モードにおけるピッチ輪郭強調の新アルゴリズムの採用、400以上のMIDIパターンを備えたドラム音源ソフトウェアの簡易版「Groove Agent SE」の同梱、スコアに現れない音やコードを演奏してくれる「MIDIトリガーリージョン」の搭載、再生中に任意のタイミングへ再生位置を送ることが可能な「スクラブ再生」機能の追加、マウスを使って素早く音楽を編集・コピーする「ライブ編集」機能の追加、アプリケーション間で楽譜データを交換するためのフォーマット「MusicXML」への対応強化などが盛り込まれている。

Dorico Proについては、ニーズに合わせて個々の楽器の定義を変更したり、新規作成できる「インストゥルメントエディター」を新搭載、Dorico Elementsについては、作成できるパート数が無制限に拡大されたほか、浄書モードでの水平方向と垂直方向の間隔制御が可能になり、再生オプションのカスタマイズ、テキストおよび音楽フォント、コード記号のカスタマイズが行えるようになった。

以下の製品のダウンロード販売が始まっているが、パッケージ版も順次発売する予定とのことだ(括弧内はSteinberg Online Shopでの価格)。

  • Dorico Pro 通常版(76,296円)
  • Dorico Pro クロスグレード 通常版(35,937円)
  • Dorico Pro アカデミック版(41,926円)
  • Dorico Pro クロスグレード アカデミック版(21,780円)
  • Dorico Elements 通常版(11,979円)
  • Dorico Elements アカデミック版(8,167円)

クロスグレード版は、「MakeMusic Finale」または「Avid Sibelius」の正規ユーザーを対象とし、 下位グレード版の「Finale PrintMusic」および「Sibelius First」「Sibelius Student」のユーザーは対象外となっている。アカデミック版は、学生および学校教員向けの優待販売版で、購入の際には、学生証、教員証等のコピーが必要となる。

旧バージョンのユーザーについては、Dorico Proの場合、バージョン4のユーザーは11,979円、バージョン3.5/3/2およびDorico 2/1からは18,150円、Dorico Elements 5/4からは58,080円、Dorico Elements 3.5/3/2からは60,500円でのアップデート&アップグレード版が用意されている。Dorico Elementsについては、バージョン4のユーザーは3,630円、バージョン3.5/3/2は4,840円、Dorico SE 5/4からは9,075円でのアップデート&アップグレード版が用意されている(いずれもSteinberg Online Shopでのアップグレード価格)。なお、2023年4月1日以降にDorico Pro 4/3.5/3/2、Dorico Elements 4/3.5/3/2をアクティベートしたユーザーには特別優待期間(グレースピリオド)が適用され、MySteinbergを通じて無償で最新版を入手できる(詳細はスタインバーグサイトにてアナウンス予定)。

Dorico Proの動作環境は以下の通り。

  • Mac:macOS Catalina以上、64bit IntelマルチコアプロセッサーまたはApple M1、8GB以上のメモリ(最小4GB)、12GB以上のディスク空き容量(SSD推奨)、OS対応オーディオデバイス(Core Audio/ASIO対応デバイス推奨)、インターネット接続環境(ブロードバンド推奨)
  • Windows: Windows 10(64bit)以上、 64bit Intel/AMDマルチコアプロセッサー(Intel i5またはそれ以上を推奨)、12GB以上のディスク空き容量(SSD推奨)、OS対応オーディオデバイス(ASIO対応デバイス推奨)、インターネット接続環境(ブロードバンド推奨)

Dorico Elementsの動作環境は以下の通り。

  • Mac:macOS Catalina以上、64bit IntelマルチコアプロセッサーまたはApple M1、8GB以上のメモリ(最小4GB)、6GB以上のディスク空き容量(SSD推奨)、OS対応オーディオデバイス(Core Audio/ASIO対応デバイス推奨)、インターネット接続環境(ブロードバンド推奨)
  • Windows: Windows 10(64bit)以上、 64bit Intel/AMDマルチコアプロセッサー(Intel i5またはそれ以上を推奨)、6GB以上のディスク空き容量(SSD推奨)、OS対応オーディオデバイス(ASIO対応デバイス推奨)、インターネット接続環境(ブロードバンド推奨)

なお、Dorico ProとDorico Elements以外に、macOS/Windows用として、8パートまでの楽譜を作成可能な無償の「Dorico SE」も用意。また、App Storeから無償でダウンロードできる「Dorico for iPad」はDorico SEと同様の機能を備え、アプリ内購入のサブスクリプションにより機能を拡充できる。