今週のMicrosoftは、スマホ同期(Your Phone)をスマホ連携リンク(Phone Link)としてブランド再構築した話や、更新プログラム「KB5011563(プレビュー)」をインストールすると特定のWebブラウザーを既定値として、各プロトコルに関連する機能が復活した点が興味深い。筆者の環境ではGoogle Chromeでのみ「既定値に設定」ボタンを確認し、PDF形式の関連付け先をAdobe Acrobat Reader DCに切り替えるボタンは現れなかった。

  • Windows 11 バージョン21H2(ビルド22000.556)の「設定」から「アプリ」-「既定のアプリ」から特定のアプリ設定を開いた状態

  • KB5011563プレビューを適用したWindows 11 バージョン21H2(ビルド22000.593)で同ページを開くと、「既定値に設定」から設定を一括変更できる

KB5011563といえば、Windows 11のシステム要件を満たさないPCのデスクトップにウオーターマーク(透かし)が出現する。以前からプレビュービルドでテストしていた機能だが、KB5011563から製品ビルドにも展開されると聞いていたので、強制的にWindows 11へアップグレードしたデスクトップPCに「システム要件を満たしていません~」の一文が現れるか楽しみにしていた。

だが、現れない。Windows 11へアップグレードするためにレジストリエントリーを編集しているのが原因なのか、別のチェックロジックでウオーターマーク表示の可否を判断しているかは不明だ。手元にはWindows 11にアップグレードできない初代Surface Goがあるので、時間を見つけて検証してみようと思っている。

前振りが長くなったが、前回も紹介した「Windows Powers the Future of Hybrid Work」イベントだ(日本時間4月6日午前0時スタート)。日本マイクロソフトが2022年3月30日に更新した公式ブログによれば、Microsoft Chairman and CEOのSatya Nadella氏も登壇するという。イベントとしての重みが増した。となると気になるのが発表内容である。

筆者の勝手な予想では、日本マイクロソフトがつけた邦題「Windowsが切り開くハイブリッドワークの未来」から推測するに、Windows 11 バージョン22H2の新機能は軽く触れる程度。リモートワークで最重要視されているセキュリティ機能が中心になるだろう。また、MicrosoftはWindows 11のみならず、Windows 365の拡充も望んでいるはずだ。クラウドPCで動作する作業環境はイベントタイトルのシナリオにも合致するため、プランを増やすなど何らかの施策を仕掛けてくる可能性がある。

  • Microsoft 365管理センターのWindows 365ライセンス販売ページ

一般ユーザー向けの情報は少ないと思われるが、そろそろサードパーティー製ウィジェットが解禁されるのではないだろうか。以前からウィジェットをインストールするための空間(機能)をMicrosoftが用意し、ウィジェットはMicrosoft Store経由で配布するとのウワサが流れている。今回のイベントで解禁を公表し、現地時間2022年5月24日から開催する開発者向けイベント「Microsoft Build」で実装方法を解説するのがスムーズな流れだ。何にせよNadella氏が掲げる展望と、Microsoft Windows Executive VP and CPOを務めるPanos Pana氏のプレゼンテーションを楽しみにしたい。

  • 現時点で利便性が乏しいWindows 11のウィジェット