――共演して、佐藤さんはどんなところが俳優として魅力的でしたか?

佐藤さんは、周りのことをすごく見ていらっしゃる方だなと思いました。「はじめまして」だったので、すごく緊張していたんですけど、周りのことをすごく見ていらっしゃるから、私が緊張していて、あまり自分から話しかけられなくても、話しかけてくださったり。周りのスタッフさんとかを笑顔にするのが、本当にお上手なんです。

それも無理しているわけじゃなくて、自然と発した言葉が、みんなを楽しくする言葉だったりするんです。意識して発言しているのかもしれないし、そうじゃないのかもしれないけど「すごい方だな」って。現場を温めたり盛り上げたりするっていうのは、座長として大切な力だと思うので「すごい、流石だな」と思いました。青野くんとしてお芝居している姿ももちろんですけど、現場にいる姿も勉強になりました。

――役者として、吸収できるものがあったんですね。

そうですね。神尾(楓珠)さんも里々佳さんもそうでしたけど、佐藤さんは特に一緒のシーンも多かったので、より感じましたね。

――実際のお芝居の掛け合いでは、どんなところが楽しめましたか?

青野くんって、感情があべこべな時があったりするんです。辛いことを言っているのに、笑っていたり。「うまく感情が伝わらない」みたいなことが、原作でも描かれていたんですけど、それをすごく忠実に再現していて。何を考えているかわからないときがあるんですよね。

「寄り添ってくれているけど、わからない」みたいな。そういう表現をしてくれるからこそ、優里は不安にもなるんです。そこだけ切り取ると、本当にただの恋愛ドラマなんですけど、そこにプラス「幽霊」「触れられない」が加わることによって、よりハンデが加わるので、「切なさ」とか「もどかしさ」がすごくて。演じているこっちも寂しくなったりするなあって、客観的に見て思いました。

――優里は恋に一途ですが、共感しますか?

共感します~! 私自身も、一途というか、一人のことを好きになったら、長い間「好きだなあ」って思ってしまうタイプだったんです。なんなんですかね? 理由はわからないんですけど、たぶん優里も「なんで青野くんのことを好きになったの?」って言われたら、説明できないような気がして。でも「それでいいのかな」っていう気もするんです。理由はないけど、ここまで「愛せる力」「信じる力」っていうのは、すごくまっすぐで好きだなと思います。「わかるなあ」と思いますね。

――優里が青野くんに一途なように、高橋さんが一途になってしまうものはありますか?

私は唐揚げがすごく好きなので(笑)。おいしい唐揚げを作ることと、おいしい唐揚げ屋さんを探すことが好きです。いろんな唐揚げ屋さんとかチキン屋さんとか、家でもレシピを試して作ってみたり。お酒が飲めるようになったので、憧れだったレモンサワーと唐揚げができたり。憧れでした。かっこいいなと思っていたんです。ちょっとうれしかったです(笑)。

――そうなんですね(笑)。好きな揚げ方はありますか?

片栗粉とコーンスターチを混ぜて揚げるのが好きです。あと、竜田揚げっぽいのが好きなので、衣をしっかりとたっぷりつけて、じっくり低温で揚げてあげることと、揚げ残りのかすはしっかり取ってあげること。きれいにしてからまた揚げることですね。

――こだわりを感じます(笑)。

昔から好きなので(笑)。

――リフレッシュにもつながるんでしょうか?

そうですね。今は母と暮らしているので、母にも作ったりすると食べてもらったりできるんです。一人だと、流石になかなか作らないと思うんですけど、誰か食べてくれる人がいるので、一緒にシェアできるのはうれしいなと思います。

高橋ひかる

2001年9月22日生まれ。2014年に「第14回全日本国民的美少女コンテスト」でグランプリを獲得し、これをきっかけに芸能界へ。女優にとどまらず、女性ファッション誌『Ray』専属モデルのほか、バラエティタレントとしても活躍中。2022年は、映画『おそ松さん』に出演するほか、初主演を務める舞台「日生劇場ファミリーフェスティヴァル2022 NHKみんなのうたミュージカル『リトル・ゾンビガール』の公開が控えている。