米Valveは3月10日(現地時間)、携帯ゲーミングPC「Steam Deck」でWindows 10を動作させるためのドライバをリリースした。
北米、英国、EU諸国での出荷が始まったSteam Deckは、モバイルでの快適なプレイをサポートするゲームパッドを搭載、プロセッサはAMD Zen 2アーキテクチャのAPU(4コア/8スレッド:2.4〜3.5GHz)、RAMは16GB LPDDR5。AAAタイトルがスムースに動作する性能を備える。価格は399USドルから。
OSはLinuxをベースとしたSteamOS 3.0(Archベース)。Protonによる互換レイヤによって移植作業なしでWindows向けゲームを実行できるようにしているが、Steam DeckはWindows PCと同じ構造のPCである。ValveはWindowsを公式サポートしてはいないものの、Windowsをインストールできる。ただし、ドライバ不足で設定が整わず、十分なパフォーマンスを引き出せないというユーザーレポートが相次いでいた。そうした中、Windows 10向けのドライバをValveが用意した。
10日に提供が始まったのはGPUドライバ、Wi-Fiドライバ、Bluetoothドライバの3つ。オーディオ・ドライバはAMDなど関連する企業と開発中とのことで、リリースされるまでスピーカーおよび3.5mmオーディオポートの音声出力は利用できない。USB-CまたはBluetoothを通じた音声出力になる。
Valveはデュアルブートウイザードを表示するSteamOSインストーラを現在開発しており、そのリリースまでSteamOSとWindowsのデュアルブートは利用できない。Windows 11については、現在fTPMをサポートするBIOSアップデートを準備している。Windowsに関してValveが提供している情報は、Steamのサポートページで確認できる。
Windows 10をインストールすれば、Microsoftのゲームサブスクリプションサービス「Xbox Game Pass」にSteam Deckからアクセスできる可能性が広がる。ただし、現状で全てのWindows用ゲームをSteam Deckで快適に遊べるわけではない。
10日にXbox Game Studiosが、同社がSteamで提供するゲームのSteam Deck対応情報をアップデートした。18タイトルのうち、動作検証済み(Verified)タイトルが8つ。「Sea of Thieves」「Fallout 4」「Forza Horizon 5」など6タイトルは「プレイ可能」(Playable)。「Gears 5」「Halo MCC」「Halo Infinite」「Microsoft Flight Simulator X」など、4タイトルはチート対策で非対応(Unsupported)となっている。スタジオ側の対応によって「検証済み」のタイトルが増えるが、多忙なスケジュールの中で対応を進めており、一部のタイトルは時間がかかる可能性があるという。