DJIは10月21日、“映像制作の未来を構築する包括的撮影システム”と題して、業界で初めて垂直方向のブレを補正する4軸安定化機構を備えたジンバル一体型シネマカメラ「DJI Ronin 4D」を発表した。撮影上限解像度やセットの内容の違いで8Kコンボと6Kコンボの2通りをラインナップしており、価格は8Kコンボが1,320,000円、6Kコンボが869,000円。発売日は今のところ未定だ。

  • 「DJI Ronin 4D」

DJI Ronin 4Dは、揺れを補正する機構であるジンバルと、撮影を担当するカメラが一体化している製品。ジンバルは従来通りの3軸（ヨー・ピッチ・チルト）に加え、垂直方向の揺れを加えた4軸で補正できる点が大きな特徴。これによってオペレーターは走ったり動き回っても安定した動画を撮影でき、ドリーを使わなくてもワイドなスライダー撮影を行えるという。

  • センサー部が独立してジンバルに支持されている独特な機構

撮影機能も極めて強力。フルサイズセンサーを搭載するZenmuse X9ジンバルカメラを組み合わせており、8K対応モデルと6K対応モデルを展開する。両モデルともにApple ProResやProRes RAWの内部記録に対応し、8Kモデルは最大8K/75fps、6Kモデルは最大6K/60fpsと4K/120fpsでの撮影を行える。感度はISO 800とISO 5000のデュアルネイティブEIで、ダイナミックレンジは14ストップ以上。マウントは交換でき、DJI独自のDLマウント、ライカMマウントに加え、フランジバックの短いマウントを装着できる。

レンジファインダーにはLiDAR技術を搭載し、10mの範囲で43,200個もの測距点を同時に検知可能。低照度下でも極めて高速/正確なAF動作を行え、被写体のコントラストにも影響されない。その他、撮影プレビューを最大4km離れたところで確認できるワイヤレス伝送機能や、XLR端子を2つ備える拡張プレートを搭載。寒冷地での撮影にも耐えられるよう、バッテリーには自己発熱機能を備えている。

8Kコンボと6Kコンボでは内容物が異なっており、それぞれ以下の周辺機器がセットになっている。これに含まれていない4D動画トランスミッター、 高輝度遠隔モニター、 DJI PROSSD 1TBなどの周辺機器は、公式オンラインサイトや正規販売代理店から入手できる。

  • 8Kコンボ：本体、Zenmuse X9-8K ジンバルカメラ、 LiDAR レンジファインダー、 高輝度メインモニター、 ハンドグリップ、 トップハンドル、 TB50インテリジェントバッテリー、 キャリーケース、PROSSD 1TB
  • 6Kコンボ：本体、Zenmuse X9-6K ジンバルカメラ、LiDAR レンジファインダー、高輝度メインモニター、ハンドグリップ、トップハンドル、TB50インテリジェントバッテリー、キャリーケース