エミライは、FiiO Electronicsの新製品として、DLC振動板を採用した12mm径ダイナミックドライバー搭載の有線イヤホン「FD3」シリーズを10月1日に発売した。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は13,200円前後。
シングル・ダイナミックドライバー搭載の「FD」シリーズの新製品。上位の「FD5」(2021年2月発売)で採用している技術を採り入れた、同シリーズの中核的モデルとなる。FD3に、2.5/3.5/4.4mmの3種類のプラグを付け替えられる銀メッキ編み込みケーブルを同梱したバリエーションモデル「FD3 Pro」を用意し、さらに同ケーブル「LC-RC」の単品販売も行う。
■FD3シリーズのラインナップと想定売価
- FD3:13,200円前後
- FD3 Pro:18,700円前後
- LC-RC(ケーブル単品):9,900円前後
FD5で採用したDLC(Diamond Like Carbon)素材の振動板を使った、新設計の12mm大口径ダイナミックドライバーを1基搭載する。磁気回路には、1.5テスラの磁束密度の強力なマグネットと、国内のダイコク製超微細銅クラッドアルミニウム線のボイスコイルを使い、高いドライブ力を実現。これにDLC振動板を組み合わせ、低歪みで超高感度な高性能ドライバーに仕上げた。
FD5のイヤホン内部に備えていた、理想的な音響特性を実現する「アコースティック・プリズム」も継承。スピーカー分野において音響調整に用いられる技術を発展させたもので、高域定在波の排除、音波の拡散性を全域にわたり強化。キャビティ内の音波の伝播経路によって引き起こされる、遅延の問題を効果的に解決するといったメリットがあるという。
耳への圧力を低減し、より自然な音を追求するために、独自のセミオープン構造を採用した。キャビネット内の圧力を効果的に排出し、ドライバーの動きをスムーズにして自然な音を提供する。音質面のメリットだけでなく、耳道内の内部の空気圧バランスを取ることで聴覚を保護し、鼓膜への圧力も軽減。長時間のリスニングによる疲労感を抑えるという。
音導管を交換できる仕組みをFD5同様に装備。内径が異なる2種類の音道管を用意し、環境や好みに合わせたサウンドコントロールが行えるという。デフォルトでは内径の小さいチューブ(赤)が付いており、これはバランスの良いソフトなサウンドを重視する場合に推奨。高域のディテール再現を重視する場合は、内径の大きいチューブ(黒)を推奨している。
フェイスプレートには、2.5Dフィルムコーティングガラスで覆ったセルロイドパネルを採用して、高級感と透明感を演出。本体はアルミニウム・マグネシウム合金製で、5軸CNC加工と手磨きを組み合わせた工法で製造している。
前述の通り、FD3とFD3 Proの違いは付属ケーブルで、MMCX端子でケーブルを着脱できる点や、ケーブル長(約1.2m)は共通。FD3のケーブルは高純度単結晶銅線を4本組みでトータル120芯使用したもので、金メッキを施したL字型の3.5mmプラグを備えている。
FD3 Proには、2.5/3.5/4.4mmの3種類のプラグを付け替えられるケーブル「LC-RC」を同梱しており、導体には銀メッキ処理を施した高純度単結晶銅を使用。19本の芯線を8本組みとし、計152本の芯線を編み込んでいる。
周波数特性は10~40kHzで、ハイレゾ再生に対応している。インピーダンスは32Ω(1kHz)。感度は111dB/mW(@1KHz)、最大入力は100mW。イヤホンの重さは片側7g。イヤーピースは、バランス重視タイプ、低音重視タイプ、ボーカル重視タイプの計3種類を各3ペア(S/M/L)、フォームタイプを2ペア同梱。クリーニングブラシやキャリングケース、MMCXアシストツールも付属する。