スクウェア・エニックスは、「チョコボ」シリーズの最新作『チョコボGP(チョコボグランプリ)』を2022年に発売する。プラットフォームは「Nintendo Switch」。価格は未定だ。
『チョコボGP』のジャンルはレースゲーム。1999年に『チョコボレーシング 〜幻界へのロード〜』(以下、チョコボレーシング)が発売されているが、今回の『チョコボGP』は続編ではなく、完全新作という位置づけだ。
とはいえ、『チョコボレーシング』をプレイしたことある人にとっては懐かしさを感じる部分も多いだろう。レース中に使用できる「魔石」や、キャラクターの「アビリティ」など、継承されている要素もある。発売に先立ち、同作の試遊会が行われたので、そこで判明した情報や数レースプレイした印象を紹介しよう。
勝負はキャラ選択から! 今作ではマシン選びも重要
ゲームに登場するのは「チョコボ」やモーグリの「アトラ」、白魔道士の「シロマ」などのキャラクター。それぞれ、自分のマシンに乗り込み、さまざまなコースを駆け抜ける。
『チョコボレーシング』では、白魔道士や黒魔道士、バハムートなど、空を飛んでいて地形の影響を受けないキャラクターもいたが、今作のシロマは車で地面を走っており、試遊時点ではほかにも空を飛んでいるキャラクターも見かけなかった。しかし、9月24日の「Nintendo Direct 2021.9.24」で公開されたティザーPVには、宙に浮いているように見える黒魔導士の姿もあったので、そのあたりは続報を待ちたい。
キャラクターには、スピードアップ系や防御系、攻撃系など、それぞれアビリティが用意されている。チョコボのアビリティは「チョコダッシュ」。ブースト状態で走行しながら、接触するとブースト状態になるリングを後方に出すという能力だ。
アビリティはゲージがマックスになれば発動できるが、使えるのは1レースのうち1度か2度程度。「ここぞ」という勝負どきに使いたい。ちなみに、今作のアビリティはあくまでキャラクター固有。『チョコボレーシング』のように、キャラクターとアビリティを自由に組み合わせられるスタイルではない。
キャラクターを決めたら、次はマシンだ。それぞれのキャラクターには、3つずつマシンタイプが用意されている。たとえば、チョコボのマシンは、ノーマルタイプの「ジェットブレード」、グリップタイプの「ウィングブレード」、スピードタイプの「クローブレード」の3種類。同じキャラクターでもマシンによって若干パラメーターが異なるので、「スピード」「グリップ」「加速」「ドリフト」の能力を確認しながら決めるといいだろう。
キャラクターごとに異なるマシンのデザインは、どれもユニークでかわいらしいものばかり。そのうえ、今作ではマシンをカスタマイズする機能も搭載しているというので、楽しみの幅が広がりそうだ。
なお、試遊では「ファイナルファンタジー(FF)」シリーズのキャラクター「スタイナー」や「ギルガメッシュ」の姿も見かけた。『チョコボレーシング』では、ハーディ=デイトナに乗った「クラウド」や、ガンブレードを振り回す「スコール」といったキャラクターが登場していたので、今作でも、さらなるFFキャラクターの登場に期待したい。
魔石やアビリティを使ってライバルたちとアツい駆け引き!
マシンに乗り込んだらいざレーススタートだ。操作はシンプル。基本的に「Yボタン」のアクセルと、「左スティック」のハンドル操作でコースを走っていく。そして、「左スティックを倒しながらRボタン」でドリフト、「Lボタン」で魔石、「Aボタン」でアビリティを発動する。好みに合わせてボタン設定を変えることもできるようだ。
『チョコボレーシング』と異なるのはドリフトの操作。記憶が正しければ、『チョコボレーシング』は曲がりながらキュキュっと短く「×ボタン」でブレーキを入れるだけの“カンタンドリフト”だったはず。しかし今作では、一定時間ドリフトしたあとにボタンを離すことでブーストが発動して加速するシステムが追加されていることもあり、カーブのドリフトから、いかにうまくブーストを発動させられるかが重要になりそうだ。
また、コースには、触れると魔石をゲットできる「マジカルエッグ」が設置されている。魔石には、ファイアやエアロ、ウォータ、死の宣告、マバリアなど、いくつもの種類があり、使うと、手に入れた魔石に応じた効果を発動。エアロは前方に竜巻を放ってほかのプレイヤーを攻撃、ウォータは地面に水たまりを設置することで攻撃する。なお、今回の試遊会では『チョコボレーシング』にあったブリザドやサンダーの魔石は確認できなかった。
さらに、同じ魔石を集めると、最大3まで魔石のレベルを強化可能だ。たとえば、まっすぐ前に小さな火の玉を放つファイアをレベルアップさせてファイラにすると、前方のプレイヤー1人をロックオンして追尾攻撃に切り替わる。豪華なデザインのマジカルエッグからは、いきなりレベル2の魔石が出現するので、戦局を有利にすすめるためにも、極力ゲットしておきたい。
なお、一度に保有できる魔石は3つまで。レベル2の魔石は2つ、レベル3の場合は3つにカウントされる。そのため、レース中には、魔石を強化するか、強化せずに使って保有枠を開けておくのか、強化した魔石はいつ使うべきかといった選択に迫られる。実際、魔石を使うタイミングで勝負が決まるシーンもあるだろう。ただし、慎重になりすぎるのもよくない。試遊では、「魔石をレベルアップさせてからタイミングを見計らって使おう」と思っていたら、うっかり使いそびれてしまうこともあった。
ちなみに、『チョコボレーシング』では、連続で同じ魔石を手に入れなければレベルアップしなかったが、『チョコボGP』では、「死の宣告→マバリア→死の宣告」の順で魔石を獲得した場合でも、1つ目の死の宣告がレベルアップ。そもそも、『チョコボレーシング』だと死の宣告はレベルアップしなかったはずだが、今作ではレベルアップするようだ。マバリアのレベルアップも確認した。
試遊でプレイしたコースはシンプルな「シドのテストコース」、排水が噴き出る「ゾゾの街」、花火が上がり、たくさんの風船が飛ぶ「ゴールドソーサー」の3つ。ファイナルファンタジーをプレイしている人からすると、見たことあるオブジェクトや聞いたことのある楽曲のアレンジにテンションが上がること間違いなしだ。
試遊会を通して感じたのは、カンタンな操作で誰でも気軽に楽しめるシステムながら、魔石のレベルアップやアビリティの使いどころといった奥深い駆け引きを味わえるおもしろさがあること。そのあたりは、『チョコボレーシング』からしっかり引き継がれており、それでいて、ドリフトブーストやオンライン対戦機能など、要所要所での進化もある。かつて“チョコボレーサー”として腕を鳴らしたプレイヤーから『チョコボGP』でデビューするビギナーまで、幅広い層が楽しめるタイトルと言えよう。
そのほか『チョコボGP』では、ストーリーモードのほか、カスタムレースやトーナメント方式で行われる最大64人のサバイバルレースなど遊び方も充実。今後の続報にも期待したい。
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