いつのまにか夏の盛りは過ぎ去り、日差しもやわらいできた今日この頃。エアコンをつける日が減ってきた人も多いのではないでしょうか?
実は、このままエアコンを放置すると、カビの発生リスクが高まってしまうのだとか。冬の暖房シーズンに向けて今のうちにやっておきたい「秋のエアコンのお掃除方法」を、パナソニックが紹介しています。
秋のエアコン掃除、やっていない人が半数
20代~60代の男女551名に対して行った「エアコンのお掃除についての消費者調査」(2021年8月31日~9月1日、パナソニック調べ)によると、「夏のエアコン稼働が終わった秋(9月~11月)に、自宅のエアコンのお手入れをしたことがありますか?」という質問には、約半数が「掃除を行っていない」と回答していました。
また、「秋にエアコンのお手入れをしたことがある」と答えた人の中では、「自分で洗浄剤やスプレーを使ってエアコン内部のお手入れをした」人が3割いました。パナソニックとしては、こうしたセルフケアは「間違ったお手入れ」と、推奨しない姿勢です。
実は「梅雨並み」にカビが生えやすい秋
ここからは、カビの専門家である千葉大学真菌医学研究センター准教授の矢口貴志氏が、カビの性質を解説。カビが最も繁殖しやすいのは「気温20~30℃、湿度70%以上」という環境下だそうです。
真夏と比べると湿気が多く、気温も下がる秋。実は梅雨時と条件が似ており、カビの繁殖条件と合致します。しかも2021年の秋は秋雨前線が停滞しているため、平年よりカビが繁殖しやすいともいいます。
使ったあとのエアコン内部には、結露した水分がたまっています。さらに、エアコンは室内の空気を取りこんで冷やすため、フィルターで取り切れなかったホコリが内部に付着してしまいます。
つまり、夏のエアコン稼働時間が長ければ長いほど、エアコン内部に湿気がたまり、カビのエサとなるホコリも多く付着。カビに有利な環境ができあがってしまうのです。
エアコンを掃除せずに放置すると、秋の間にエアコン内で繁殖したカビが、冬の暖房稼働時に吹き出してしまう…ということにもなりかねません。
矢口准教授は、「湿気の多い季節はカビの増殖に影響があるため、暖房を使用する季節がやってくる前にしっかりとお手入れが必要です」と、秋のうちにエアコンをケアすることをおススメしています。
夏に酷使したエアコンをケアする「3つのポイント」
では、エアコンにカビが発生しないよう、どうやってケアすればよいのでしょうか? パナソニックのエアーマイスター・福田風子氏は、以下のポイントを挙げています。
ポイント(1) フィルターの定期的なお手入れ
エアコンの汚れは能力の低下や消費電力の増加につながるため、エアコンフィルターのお掃除が大切だといいます。掃除機でホコリを吸い、それでも汚れが落ちない時は薄めた中性洗剤で洗い、陰干しをしてしっかり乾燥させることが大切です。
ポイント(2) 内部クリーン機能や送風運転を活用
カビ対策には、冷房中の結露で湿気がたまったエアコン内部を乾かすのが効果的。そのため、お使いのエアコンに「内部クリーン機能」が搭載されているなら、これを使うことで湿気のケアが行えます。
また、内部クリーン機能を非搭載のエアコンの場合、冷房運転の後に「送風運転」を3~4時間行うと、エアコン内部を乾燥させられます。
ポイント(3) 拭き掃除でカビ菌を防止
エアコンに汚れがたまるとカビ菌のエサになるため、汚れている場所(通風路、フラップなど)を拭き掃除してください。このとき、「見える部分」のみ掃除するのがポイントです。
なお、お手入れはお使いのエアコンの取扱説明書をもとに行ってください。ご自身での掃除が心配な方、掃除がしづらい箇所の汚れが気になる場合や、すでにカビが生えている場合は、専門業者への依頼を勧めています。
最後に、福田氏は「エアコンのクリーニングには高い専門知識が必要です」と、ユーザー自身がエアコン内部の洗浄をしないよう呼びかけています。冬の暖房シーズンを気持ちよく過ごすため、自宅のエアコンの状態次第では、プロの手を借りたお手入れを検討してもいいかもしれません。