調査会社のICT総研は7月21日、東京都内における格安スマホ通信業者の速度実測調査の結果を公開した。調査対象は、ソフトバンクのサブブランド「ワイモバイル」、auのサブブランド「UQ モバイル」、「楽天モバイル」の3ブランド。

調査の目的は、格安スマホブランドでの通信速度の実態を把握すること。山手線内の駅や名所、待ち合せ場所など、都内の全60地点で通信速度を調査している。測定端末はアップルのiPhone 12で統一し、速度測定サイト「インターネット速度テスト」で、1地点あたり下り(ダウンロード)と上り(アップロード)を3回ずつ測定している。調査実施日は、2021年7月13日~7月17日。

  • 調査会社のICT総研が、大手キャリアのサブブランドを中心に、格安スマホブランドの通信速度の実態を調査した

測定結果は、全地点の平均による下り通信速度においてワイモバイルが134.3Mbpsと最も高速だった。次いでUQモバイルが111.2Mbps。楽天モバイルは35.7Mbpsと他社の3分の1程度となっている。ワイモバイルは60地点のうち32地点で5Gの電波を受信でき、これが好結果につながったとみられる。上り通信速度は、ワイモバイルが27.4Mbps、楽天モバイルが27.2Mbps、UQモバイル26.6Mbpsと、ほとんど差はない。

  • 通信速度の平均値。ワイモバイルが約134Mbpsでトップだったのに対し、楽天モバイルは1/3ほどの35.7Mbpsにとどまった

3ブランドの平均通信速度が最も速かった地点は、ゴジラヘッド(新宿)近辺。続いて西武池袋本店が198.8Mbps、東京ドーム近辺が193.3Mbpsと続いている。3ブランド平均の下り通信速度が最も遅かった地点は、神保町駅の平均24.9Mbpsだった。

10年前のMNO(移動体通信事業者)の下り通信速度は0.95Mbpsだった。その後、4G/LTEサービスが普及し、現在は下り通信速度が平均100Mbpsに迫るなど、約100倍まで高速化した。5Gのカバーエリアも拡大中なので、今後はさらなる高速化が期待できそぅだ。

  • 大手キャリアの通信毒との移り変わり。10年前と比べて100倍近くにまで速くなった