ゼンハイザージャパンは、自社開発の13基のスピーカーユニットを搭載し、独自の立体音響技術を盛り込んだ「AMBEO Soundbar(アンビオサウンドバー)」を国内導入。7月27日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭価格は35万7,000円前後を見込む。

  • AMBEO Soundbar

5.1.4chサラウンドシステム(5.1chサラウンドをベースに、天井に4chを設置した環境)を単体で再現する、世界初のサウンドバー。海外市場で2019年から発売しており、国内でも発売が正式に決まった。

同社では、横幅1.2m以上というAMBEO Soundbarの“サイズの大きさ”が日本の住環境に合わない可能性があるため海外市場のみ展開していたが、同製品に関して国内でも問い合わせがたびたび寄せられ、一定の需要があると判断。また、外出がしにくい昨今の情勢や、3Dサウンドが盛り上がってきているタイミングであることも考慮し、「ゼンハイザーの考える3Dサウンド」を示すという意味も込めて市場投入を決定したとのこと。

AMBEOとは、欧州最大の研究機関・フラウンホーファーとの共同開発による、ゼンハイザー独自の立体音響プロジェクトで、“音の入り口から出口までを知る”ゼンハイザーならではの包括的な音響テクノロジーとしている。AMBEO Soundbarでは、このバーチャルサウンド技術を活用し、リアリティあふれる立体サウンドを自宅で気軽に体験できるようにした。

本体に13基のスピーカーを内蔵しており、ユニット構成はセルロースサンドイッチコーンの振動板を備えた4インチウーファーが6基、アルミドームを備えた1インチツイーターが5基(フロント3基、サイド2基)、フルレンジの3.5インチトップファイアリングスピーカーが2基。これを13の出力を持つハイエンドのクラスDアンプで駆動する。

  • 1台のサウンドバーに、13基のスピーカーを内蔵

  • 内部構造

ウーファーや複数台のスピーカーを用意することなく、AMBEO Soundbar一台で立体音響を再現可能。ステレオ音源や5.1chサラウンド音源も、立体音響にアップミックスする機能を備えており、「映画であればまるで映画のワンシーンにいるような感覚を、ライブやコンサートなら奏者が実際にそこにいるかのような臨場感、スポーツ観戦はスタジアムにいるかのような迫力と興奮を感じ取れるようなリアルさを生み出す」としている。

設置時に、サウンドバー本体と同梱のマイクを使ってルームキャリブレーションを行い、室内の音の反射などを測定して、部屋に合わせた音響調節を自動で行う。所要時間は3分程度。

  • 設置イメージ(サウンドバー以外は付属しない)

オブジェクトオーディオのDolby AtmosやDTS:Xに対応するほか、MPEG-Hのイマーシブサウンドもサポート。MPEG-H 3D Audioに準拠している、ソニーの立体音響技術を活用した音楽体験「360 Reality Audio」(360RA)のコンテンツも楽しめる。

サラウンドフォーマットの再生時は、特定のドライバーが特定のチャンネルを担うのではなく、13のドライバーすべてが稼働し、ビームフォーミングテクノロジーによる立体サウンドを作り上げるという。

付属のリモコンや、ゼンハイザーが提供する「Smart Control」アプリから各種操作が行える。AMBEOのサラウンド効果はオン/オフ可能で、AMBEOオン時は、効果のかけ方をライト/スタンダード/ブーストの3種類から選べる。ほかにも、映画/音楽/スポーツ/ニュース/ニュートラルの5種類のサウンドモードと、深夜の利用を想定したナイトモードを用意する。本体のファームウェアアップデートにも対応する。

  • 「Smart Control」アプリから各種操作が行える

  • 付属のリモコンで操作するイメージ

HDMI 2.0a対応のHDMI入力を3基搭載。HDMI出力は1基備え、eARCをサポートする。そのほか、光デジタル入力、アナログ音声入力(AUX)を各1基装備。サブウーファー用のプリアウトも備えている。

  • 背面のインタフェース

IEEE 802.11 a/b/g/n/ac準拠の無線LANとEthernetによる有線でのネットワーク接続に対応。GoogleのChromecast built-inをサポートする。また、Bluetooth機能を装備し、NFCが利用できる。対応コーデックはSBCとAAC。

出力は500W。周波数特性は30~20kHz(-3dB)。本体サイズは約126.5×17.1×13.5cm(幅×奥行き×高さ)、重さは約18.5kg。HDMIケーブルや電源ケーブル等が付属する。なお、別売オプションとして壁掛け金具も用意する。