エコバックスジャパンは6月3日、吸引掃除に加えて水拭きも可能なロボット掃除機の新モデル「DEEBOT T9」(以下、T9)、「DEEBOT T9+」(以下、T9+)を発表しました。エコバックスといえば、2020年における家庭用ロボット掃除機の売り上げが世界第2位という実績のあるメーカー。人気の理由はいろいろありますが、なかでもセンサーによる正確なマッピングに定評があります。

新モデルではこのセンサーがより高精度になり、清掃能力もアップ。さらに、他製品にはない機能として、掃除をしながら部屋の香りをリフレッシュするアロマ機能も搭載しました。2モデルともに発売日は6月18日、価格はオープン。推定市場価格はベーシックモデルのT9が99,800円前後、充電スタンドにゴミ回収機能を搭載したT9+は129,800円前後です。

  • エコバックスのロボット掃除機「DEEBOT T9」「DEEBOT T9+」

    掃除機本体のサイズは直径353×高さ939mm、重さは3.57kg。円形のロボット掃除機としては標準的なサイズです。写真はDEEBOT T9を手にしたマイナビニュース・デジタルの林編集長

  • エコバックスのロボット掃除機「DEEBOT T9」「DEEBOT T9+」

    T9とT9+の違いは充電スタンド。いずれもロボット掃除機の本体は同じで、T9+の充電スタンドは自動ゴミ収集機能「Auto-Empty」を搭載しています。こちらのスタンドはサイズがW300×D430×H430mm

電源コードも回避する、障害物の認識精度がますます賢く

エコバックスのDEEBOTシリーズは、以前から高いセンサー精度を持っていました。多くの家庭ではロボット掃除機を外出時に稼動させますが、「帰宅したらコードに絡まって止まっていた」といったアクシデントもよく聞きます。

DEEBOTの既存ハイエンドモデル「DEEBOT T8」は、床に落ちているモノや家具などを立体的に検出する「3D物体回避(True Detect)」テクノロジーを搭載。障害物の高さや奥行きを立体的に把握することで、トラブルの元となりやすいコードや小物などを回避します。家具に勢いよくぶつかって傷つけることもありません。

新モデルとなるT9は、この3D物体回避(True Detect)テクノロジーが2.0にバージョンアップ。赤外線センサー式のDEEBOT OZMO 950と比較して、障害物認識の精度が約10倍に向上しました。さらに、障害物の大きさにあわせて、最適な挙動を選べるようになっています。たとえば、ケーブル類なら約5cmに近づいたら回避、縦横5cm以内の小さな障害物を見つけたら約6cmまで近づいて回避、それ以上の大きな障害物は約3cmの範囲で回避します。

  • エコバックスのロボット掃除機「DEEBOT T9」「DEEBOT T9+」

    光を室内の物体に照射し、障害物に反射した光のひずみを解析することで障害物をとらえる3D物体回避(True Detect)テクノロジー

ロボット掃除機が部屋の間取りを地図として作成するマッピング機能も、もちろん搭載しています。T9は「TrueMapping2.0マッピング&ナビゲーション」を備え、正確に間取りを把握。部屋の形状や障害物にあわせて最適な掃除をします。アプリのマップから、進入禁止エリアを設定したり、部屋ごとに掃除設定を変更したりも可能です。

  • エコバックスのロボット掃除機「DEEBOT T9」「DEEBOT T9+」

    上部の突起部分に格納されたレーザーでマッピング。側面にある黒いエリアのカメラで障害物を立体的に認識する3D物体回避を行うなど、複数のセンサーを効果的に利用しています

  • エコバックスのロボット掃除機「DEEBOT T9」「DEEBOT T9+」

    作成した地図から部屋ごとに掃除設定を変更することも。汚れやすい台所は吸引力を「強」、それほど汚れない場所は「弱」といった設定にもできます(写真は海外版のアプリ)

ちょっと面白いのが、新モデルから追加された「3Dマップ」の存在。部屋の地図を3Dで表示する機能です。清掃性能に関わるものではないのですが、ゲーム画面を観るように、アプリ上でロボット掃除機が動く様子を楽しめます。

  • エコバックスのロボット掃除機「DEEBOT T9」「DEEBOT T9+」

    従来は平面地図でしかチェックできなかったロボット掃除機の動きが、3Dの地図で楽しめるように。3Dマップでは家具を自分で追加配置することも可能です(写真は海外版のアプリ)

水拭き機能がパワーアップ

ロボット掃除機ということで、気になるのは掃除性能。ゴミを吸引する能力は、同社のDEEBOT SLIM2の6倍にパワーアップしているといいます。

  • エコバックスのロボット掃除機「DEEBOT T9」「DEEBOT T9+」

    左右にある長いサイドブラシでゴミをかき集め、本体中央の回転ブラシで吸引

また、エコバックスのハイエンドロボット掃除機は、なんといっても「吸引掃除とともに水拭きできる」のが特徴。もちろんT9でも水拭き掃除が可能です。

水拭きテクノロジーは従来の「OZMO Pro」から「OZMO Pro 2.0」に進化しました。付属の水タンク付きモップアタッチメントを装着すると、タンクの水を自動的にモップに供給しながらロボット掃除機が自走。モップを濡らすレベルは4段階から設定します。家庭によっては「フローリングの一部にラグを敷いている」配置もありますが、OZMO Pro 2.0利用時はカーペットなどの床材を回避させることもできます。

OZMO Proはモップを振動させることで、床を強力に水拭き。この振動方法も、S字型に動く「クイックゴシゴシ」と、モップを前後に振動させる「念入りゴシゴシ」の2通りから選べます。2.0では、この振動が毎分約480回と高速になり、従来製品より清掃能力がアップしたそうです。

  • エコバックスのロボット掃除機「DEEBOT T9」「DEEBOT T9+」

    本体後部に水拭き用タンクとモップが一体化したアタッチメントを装着すると、吸引掃除とともに水拭きが可能に。水タンク容量は180ml

  • エコバックスのロボット掃除機「DEEBOT T9」「DEEBOT T9+」

    モップ部分は面ファスナーで張り付いており、劣化したら交換します。新モデルは従来モデルと比較して耐久性が約2倍に。月に15時間使用した場合、約4年間使えるといいます

業界初!? 香りによるリフレッシュ機能を搭載

水拭き用アタッチメントを装着する位置には、エアーフレッシュナーアタッチメントをセットすることも可能です。このアタッチメントにはカプセルタイプの香りカートリッジをセットして、吸引掃除中に部屋のニオイを除去しつつ、同時にファンで部屋中に香りを届けます。香りカプセルは3種類あり、いずれも3個セットで1,650円。香りの有効日数は使用開始から約60日とのこと。T9には標準でワイルドブルーベルの香りが1個付属します。

ちなみに、エアーフレッシュナーアタッチメント装着時は床材のセンシングも機能します。フローリングでは標準パワーで掃除し、カーペットでは自動的にパワーを強力に切り替えられます。

  • エコバックスのロボット掃除機「DEEBOT T9」「DEEBOT T9+」

    写真は左から、フルーティーフローラルな香りの「ワイルドブルーベル」、ナチュラルなグリーン系の「キューカンバー&オーク」、爽やかな品のある「ベルガモット&ラベンダー」

  • エコバックスのロボット掃除機「DEEBOT T9」「DEEBOT T9+」

    水拭き用モップのアタッチメントと入れ替えて使用するエアーフレッシュナーアタッチメント

ゴミ収集機能付き充電台はよりスタイリッシュに

自動ゴミ収集機能搭載の充電スタンド「Auto-Empty」は、従来モデルのT8シリーズでも選択できました。ロボット掃除機本体が帰還すると、ロボット掃除機が吸い取ったゴミを自動的に充電スタンドのパックへと移します。

でも、T8はロボット掃除機本体は白色なのに、ゴミ収集機能付き充電スタンドは濃いグレーとちぐはぐな印象でした(既存モデルのDEEBOT N8 PRO+は両方ともホワイト)。新モデルのT9は本体も充電台もホワイトで統一されており、充電中も悪目立ちしません。

  • エコバックスのロボット掃除機「DEEBOT T9」「DEEBOT T9+」

    存在感の大きい自動ゴミ収集機能付き充電スタンド「Auto-Empty」が、ロボット掃除機と同じカラーリングになりました!

  • エコバックスのロボット掃除機「DEEBOT T9」「DEEBOT T9+」

    充電スタンド上部のフタをあけて、紙パックを引き出すだけでゴミ捨て完了。紙パックは引き出すときに穴がふさがるので、ゴミやホコリが飛びちりません。Auto-Emptyがあれば3~4人家族の家庭で約1カ月、少人数の家庭なら約2カ月はゴミ捨て不要になるとのことでした

高性能な衝突回避機能で留守中も安心して掃除が任せられること、部屋ごとにさまざまな設定ができる高性能なスマートフォンアプリ、吸引掃除と水拭き掃除を同時にこなすこと、そしてゴミ自動収集機能付き充電スタンドが選べること……、T9シリーズは最新ロボット掃除機の技術をこれでもか! と詰め込んだような製品です。また「ロボット掃除機も床拭きロボットも欲しい」というユーザーにとって、2台のロボットを購入するより価格的にも省スペース面でも大きなメリットがある製品ではないでしょうか。