Windows 10 バージョン21H1の正式リリースやWindows 10Xの無期限停止(を告げる公式ブログ)、Internet Explorer 11のサポートが2022年6月15日で終了するなど、多くの発表があった。
筆者の環境では大きな問題が発生しなかったバージョン21H1だが、Release healthでは複数の不具合が報告されているので、更新を控えているユーザーは確認してほしい。IE11のサポート終了は、Microsoft EdgeのIEモードを使えば済むので大半のユーザーは問題ないだろう。
Windows 10の大幅な更新は2021年秋の機能更新プログラムから加わる「Sun Valley」(Windows 10のUIやUXを高めるプロジェクト)がひとつの目玉だが、Windows 10 Insider Previewを追いかけていると、妙な更新が加わった。往年のWindowsユーザーにはなじみ深かい「デバイスマネージャー」の表示形式を拡張したのだ。
具体的には、「デバイス(ドライバー別)」「ドライバー(種類別)」「デバイス別ドライバー」の3項目を新たに追加している。公式ブログによれば、この変更は米国時間2021年3月24日にリリースしたWindows 10 Insider Preview ビルド21343から加わったという。
試してみると、Windows 10にインストールされたドライバーファイル単位や、デバイスの種別を前提したドライバーファイル単位、同じくデバイスの種別としながらもドライバーファイルの操作を前提とした表示形式に切り替わる。以下の画像を見ていただくと一目瞭然だろう。
前述の公式ブログでは、変更を加えた理由として「開発者とパワーユーザーが柔軟性を享受するため」としている。Windows 10ファーストリリース時から、Microsoftは設定基盤を「設定」に移行させてきた。当時の開発者向けイベント「Microsoft Build」では、移行までに数年間の期間を要すると述べていたが、ファーストリリースから数えて早6年。いまだコントロールパネルを使う場面は少なくない。デバイス周りの管理を一覧性が乏しい「設定」に担わせるのは酷で、WinUI 3の仕様書を斜め読みする限り現時点では厳しそうだ。
Windows 10Xの市場投入無期限停止からも分かるように、Microsoftは機を見るに敏(びん)である。Windows 10 バージョン21H2(仮)にどのような変更が加わるかは分からないが、デバイスマネージャーの機能改善は、デスクトップ(Win32)アプリとUWP(Universal Windows Platform)アプリの融合を試みるプロジェクト「Reunion」、そして中核となるWinUI 3の完成を踏まえた布石のひとつなのかもしれない。