シグマが、ミラーレス用の新しい標準ズームレンズ「28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary」を3月12日に発売します。同社には、すでに「24-70mm F2.8 DG DN | Art」という銘玉が存在していますが、本レンズは28mmスタートとすることで軽量コンパクトに仕上げつつ、24-70mmをしのぐほどの写りをもたらしてくれます。今回は、パナソニックのフルサイズミラーレス「LUMIX S5」と組み合わせてインプレッションしてみました。
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ミラーレス用の大口径標準ズームレンズ「28-70mm F2.8 DG DN」。ライカLマウント用とソニーEマウント用を用意します。希望小売価格は税込み11万円で、実売価格は税込み9万円前後。発売日は3月12日ですが、予想を超える注文が殺到しているとの発表があり、しばらくは強い品薄状態が続きそうです
重量は24-70mmより365gも軽くなった
F2.8通しの標準ズームレンズといえば、どのメーカーの製品も大きく重たいのが普通でしょう。それを打ち破ったのが、この28-70mm F2.8 DG DN | Contemporaryです。24-70mmというズームレンジを見直し、28mmスタートにすることで劇的な軽量スリム化を実現したのです。重量は約365gも軽く、フィルター径は15mmものサイズダウンを図りました。
それでいて、24-70mmの光学設計をベースに、レンズ枚数を減らしつつも非球面レンズ3枚、FLD2枚、SLD2枚といった特殊硝材を採用。軸上色収差やサジタルコマ収差をレンズ側で補正しつつ、カメラ側の補正機能も利用して高画質を手に入れています。F2.8通しで明るく高性能ながら、軽量コンパクトな常用ズームレンズの誕生といえます。
何といっても軽いのですから、使い勝手は良好です。わずか470g(Lマウント版)という質量は正義です。SIGMA fpやLUMIX S5などの軽量級Lマウント機に装着すると、バランス的にもベストマッチだと感じました。
レンズ本体は、フォーカスリング、ズームリング、オートフォーカスのON/OFF切り替えスイッチのみのシンプルな構成となっています。さすがに「Iシリーズ」のような重厚感はありませんが、同社の超望遠ズームレンズ「100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary」のようなマット調の風貌は好印象です。
写りは申し分なく、Artラインの高性能モデルに迫る写りを楽しめます。絞り開放からシャープで、画面全域にわたって均整の取れた描写になっています。24-70mmの出番が大幅に減りそうな予感がするほどです。それくらい素晴らしいポテンシャルを秘めており、「この系統でシリーズ化されたら…」などと妄想も膨らみます。
シグマのレンズといえば「明るくて高性能だがデカくて重い!」というイメージがありましたが、この28-70mmはそれを払拭するレンズに仕上がっています。近ごろは、これ1本でブラブラと撮影しているほどです。予約も好調な模様で、手にするまで時間がかかるとのリリースがシグマから出ています。気になるフォトグラファーは、すぐに予約を入れた方がいいでしょう。
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明るくて寄れるズームレンズです。最短撮影距離はワイド端で19cm、テレ端で38cmと、被写体に肉薄することが可能です。絞り開放のF2.8でググッと公園の石碑に近づくと、背景がキレイにボケてくれました。フルサイズフォーマットの楽しさを気軽に味わえますね
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標準ズームレンズというと24-70mmが一般的ですが、ワイド側を28mm始まりとしたことで大幅な小型軽量化を図っています。横浜・中華街を食べ歩きましたが、撮影メインでない外出時でも持ち歩きが苦になりません。軽さはもちろんですが、スリムな鏡筒のおかげでバッグへの収まりも良好。中華街のゲートも色鮮やかに撮ることができました
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Lマウントを採用するパナソニックのLUMIX S5に装着して試しましたが、オートフォーカスの速度と正確さは満足のいくものでした。初動も速く、スナップに好適だと感じます。大桟橋を歩く観光客を撮りましたが、どのカットもフォーカスがしっかりときていました
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兄貴分の24-70mmと同様の光学設計としており、画面中央から周辺部まで安定した描写を見せてくれます。F2.8の絞り開放からキリリした絵も魅力的で、動きを止めている観覧車の電飾をシャープに写し止めてくれました