Brave Softwareは3月3日 (米国時間)、検索エンジン「Tailcat」を買収したことを発表した。Tailcatをベースに独自の検索エンジン「Brave Search」を開発し、Braveブラウザに組み込むほか、非商用利用向けのAPIを提供する。
同社はChromiumをベースに、プライバシー保護優先を特徴としたブラウザ「Brave」を開発・提供している。インターネット利用者のプライバシー意識の高まりと共にBraveユーザーが増加しており、2021年に月間アクティブユーザーが2500万人を超える見通しだ。
Web利用者にとって検索は毎日のように利用する欠かせない機能である。Braveでは複数の検索エンジンからユーザーが好みのものを選択でき、その中にはプライバシー保護を重んじた検索サービス「DuckDuckGo」も含まれるが、同サービスは独自のWebクローラーと共に、MicrosoftのBingのほか400を超えるソースから結果を導き出している。
Tailcatはプライバシー指向のブラウザおよび検索エンジン「Cliqz」を手がけていたチームが開発した。完全に独立したインデックスを用い、IPアドレスを収集したり、個人を特定できる識別情報を用いることなく、利用者のニーズを満たす検索結果を提供できるという。そのTailcatをベースに、Braveとシームレスに連携し、Braveのプライバシー保護を検索機能にも広げる独立した検索エンジンとしてBrave Searchを開発する。
Braveはトラッキング対策をブラウザに組み込む一方で、Webブラウジングにおけるプライバシーに配慮した独自の広告配信を提供している。Brave Searchでも同様の広告配信を計画している。さらに電子商取引での使用を含め、ブロックチェーンベースのオプションや新たな展開も模索していくという。
オープンソースのOSディストリビューションなど非商用のプロジェクトがBrave Searchを利用できるようにオープンAPIを用意。囲い込みしないオープンな取り組みもBraveの製品原則の1つであり、Brave Searchが組み込まれた後も、これまでと同様にBraveでユーザーが他の検索エンジンを選べるようにし、またSERP(検索エンジン結果ページ)として他のブラウザの検索機能が採用できるようにする。将来的には他の検索サービスに検索エンジンを提供することも視野に入れている。
Brave Searchのテストに参加したい場合は、Braveのサイトでウエイティングリストへの登録を受け付けている。