三菱電機は7月17日、寒冷地向けの暖房機能を強化したルームエアコン「ズバ暖霧ヶ峰」(3シリーズ)を発表した。霜取り中も吹き出し温度を維持する「FDシリーズ」「ZDシリーズ」の計10機種を9月下旬から、従来と同じ霜取り方式の「XDシリーズ」の7機種を8月2日に発売する。

価格はオープンで、店頭予想価格(税別)はFDシリーズが33万8,000円~39万8,000円、ZDシリーズが26万8,000円~35万8,000円、XDシリーズが15万8,000円~25万8,000円。ラインナップ概要は以下の通り。

■FDシリーズ(左右独立駆動運転プロペラファン)
冷房能力:4.0kW、5.6kW、6.3kW、7.1kWの4機種

  • FDシリーズ

■ZDシリーズ(クロスフローファン)
冷房能力:2.5kW、2.8kW、4.0kW、5.6kW、6.3kW、7.1kWの6機種

  • ZDシリーズ

■XDシリーズ(クロスフローファン)
冷房能力:2.2kW、2.5kW、2.8kW、3.6kW、4.0kW、5.6kW、6.3kWの7機種

  • XDシリーズ

一般的なエアコン暖房は、室外機の熱交換器に付着した霜を溶かすため、暖房運転を停止して霜取りを行う必要がある。その間、室内の温度が低下することが課題だ。FDシリーズとZDシリーズに新搭載した「デュアルオンデフロスト回路」は、室外機の熱交換器を上下に分け、半分ずつ交互に霜取りと暖房運転を行う。

霜取りに使用した冷媒を暖房運転している熱交換器側に合流させ、再利用することで、外気から取り込む熱を増幅させる。大容量の圧縮機で外気から多くの熱を取り込むため、霜取りに熱を使いながらも、多くの熱を室内の暖房運転に使用できる。そのため、霜取り中も吹き出しの温度を維持して室温が下がらないという。

  • デュアルオンデフロスト回路の仕組み

なお、必要な暖房能力の確保と室外機の着霜状況に応じて、従来の霜取りの方式に切り替える。その際は、霜取り前に室温を高める「室温キープシステム」を使い分け、霜取り中も室内の暖かさを維持。冷房機能では、室外機吸い込み口付近の温度が46℃でも冷房運転を維持する「STRONG冷房」を備える。

リモコンの「A.I.自動」ボタンを押すろt、最適な運転に自動で切り替える「おまかせA.I.自動」を搭載。AI技術を搭載した赤外線センサー「ムーブアイmirA.I.」が部屋の中を360°センシングして、外気温などの変化を検知。部屋にいる一人ひとりに起こる、少し先の体感温度変化と湿度を予測する。これらの予測結果にもとづき、AIが最適な運転モードと気流に自動で切り替え、快適性を向上したという。

清潔性にも配慮。エアコン内部を汚すホコリなど、親水性の汚れを防ぐフッ素粒子と、油など疎水性の汚れを防ぐ親水性皮膜をナノレベルで配合した「ハイブリッドナノコーティング」を採用。このほか、FDシリーズとZDシリーズは、運転停止中に外観パーツを取り外して簡単に掃除ができる「はずせるボディ」と「はずせるフィルターおそうじメカ」を備えている。