なお、キーボードの打ちやすさは、キーピッチ19mm、キーストローク1.5mmと、15.6型ディスプレイ搭載ノートPCに相当するサイズを確保。キートップは0.2mmのへこみを設けて指のひっかかりをよくした形状となっています。

  • dynabook Gのキーボード

  • カラーはオニキスブルーとパールホワイト。ホワイトモデルのキーボードでは視認性に留意したカラー設計を施している

頑丈さの目安「MIL規格」に準拠

ボディそのものの堅牢性に加えて、衝撃を受けたときに配線コネクタが抜けてしまわないようにする工夫も施しています。この工夫では、コネクタ部に金属製の抜け防止ロックを設けるだけでなく、ディスプレイの開閉に伴うケーブルの伸び縮みを吸収するため、ケーブルの長さに余裕を持たせることで抜け防止・断線を防止します。また、SSDや無線LANモジュールを固定するネジには、ネジ止め部分に段を設けて抜けないようにしています。

設計統括部部長の島本氏は、dynabook Gの堅牢性が優れていると訴求する1つの根拠としてMIL規格準拠試験のクリア項目数を挙げます。競合製品では5~7項目、国内メーカーでは自社検証にとどまるのに対して、dynabook Gは規格準拠試験で10項目をクリアしただけでなく、競合製品では例のない外部検証機関による試験も実施しているといいます。

  • ネジの先端にはゆるみ止めの接着剤(ネジの先に赤く見えるもの)を塗布している

バッテリは最長19時間駆動、IGZO液晶で省エネ化

軽量化で犠牲になりがちなバッテリの話もありました。dynabook Gでは容量2700mAh(15.4V、42Wh)の4セルバッテリ搭載構成、もしくは1350mAh(15.4V、21Wh)の2セルバッテリ搭載構成を用意しています。

バッテリ駆動時間は4セルバッテリで約19時間、2セルバッテリで約9.5時間としています(どちらもJEITA Ver.2.0による東芝測定結果)。この長時間駆動を可能にした理由として島本氏は、搭載デバイスの省電力機能を十分に活用することに加えて、従来回路を見直すことで電力ロスを低減したことを挙げました。また、液晶パネルにシャープが開発した省電力技術IGZOを導入したことも省電力に貢献しているといえるでしょう。

  • 手前にあるのが4セルバッテリ。その奥、ボディに取り付けてあるのが2セルバッテリ

フルサイズ端子を装備、Type-Cから充電も

Dynabookが「ノートPCの本質」に挙げている高い拡張性も、薄型軽量化を図る最近のノートPCでは実現が難しい項目です。

しかし、dynabook Gは個人利用のほか、ビジネス利用でも使えることが目的で、そのため依然としてオフィスで使うケースが少なくない有線LANや通常型(Type-A)のUSB、そして映像出力としてHDMI(こちらもType-CやType-Dでなく、通常サイズのType-Aを)など、最近の薄型軽量ノートPCでは搭載する製品が少なくなった「大きめの」インタフェースを装備しています。

さらに充電では、付属するACアダプタ以外に、本体のUSB Type-Cを使うことで、USB-PD対応小型ACアダプタ、やモバイルバッテリからも充電できます。

  • 右側面には電源コネクタ、USB Type-C(USB-PD準拠)、HDMI、ヘッドフォンマイク端子、SDスロットを用意する

  • 左側面にはType AのUSBを2基に有線LAN用のRJ45を1基備える

Dynabookが考える「ノートPCの本質」とは

以上、新生Dynabookとなって最初の新モデルとなるdynabook Gのコンセプトや特徴を紹介してきました。皆さんの中には「新しい会社の第一弾となる新モデルだからもっと斬新で“とがった”ノートPCでもいいのでは?」と思う人もいるかもしれません。しかし、ここで荻野氏が掲げたもう一つのコンセプトを紹介してみたいと思います。それは「誰もが使えるノートPC」というものです。

このコンセプトには「誰もが手軽に扱えること」に加えて「誰もが購入できること」という意味も込めていると荻野氏は説明します。斬新で印象に残るような奇抜なモデルではなく、誰もが購入できて手軽に扱える「地に足の着いたノートPC」。第1弾として登場したdynabook Gは、確かに東芝ノートPC開発のDNAを引き継いだモデルといえるでしょう。

  • 天板はいたってシンプル

  • こちらは3Dプリンタで制作したデザインモック