マクドナルドでは一般的なクルーから店長まで、かなり細かく役職がわかれている。クルー、クルートレーナー、スター、SWマネージャー、セカンドアシスタントマネージャー、ファーストアシスタントマネージャー、店長といった具合だ。

転機となるのはSWマネージャーだろう。店長や社員が店舗にいなくとも、時間帯責任者としての職責を負う。アルバイトのまとめ役といってもよい存在だ。この段階で、ハンバーガー大学へのトビラが開く。

では、どのような授業が行われるのか。SWマネージャーはハンバーガー大学で、都合3日間の授業を受ける。筆者はそれとは比ぶべくもない、わずか2時間という時間だが、ハンバーガー大学の模擬授業を受けてきた。テーマは「リーダーとは何かを学ぶ『リーダーの影』」「チーム力を高める『効果的なフィードバック』」の2項目だ。

とにかく、たった2時間だったため、授業は駆け足で進んだ。ただ、印象に残ったシーンについて列記してみよう。

現場を仕切るリーダーの在り方

ハンバーガー大学 マネージャー 茂木由規子氏

まず、「リーダーの影」についてだが、面白い体験をさせていただいた。教壇に立った茂木由規子 ハンバーガー大学 マネージャーは、20人ほど集まった記者などの模擬生徒に、「右手を挙げて」「左手を挙げて」「両腕を降ろして」といった指示を出す。当然、模擬生徒は、そうした指示に従って動作をする。

そして、「手の指で輪を作り、アゴに当ててください」という指示を出しながら、先生自身はホッペに手を当てた。そう、タレントのローラがよくする仕草だ。筆者は「あれ? アゴとホッペを言い間違えたのかな?」「それとも何かのワナか?」と思いながら周囲をみると、みな、ホッペに手を当てている。その状況を確認すると、筆者もホッペに手を当てざるをえなかった。

やはりワナだった。茂木先生は、「これがリーダーの影です」と強調。たとえ指示とは異なる行為だとしても、リーダーが行っていることに、周囲は準じやすくなる一例だという。リーダーが正しい行為をすることがいかに大切か、それを裏付けるテストだった。