ワコムが7月31日に発表、8月4日に発売した「Bamboo Ink」は、Windows搭載タブレットや2in1 PCなどで利用できるスタイラスペンです。

Windows PCのペン入力にはいくつかの方式・規格があるのですが、「Bamboo Ink」最大の特徴はワコムAESテクノロジーとMicrosoft Penプロトコルの両規格に対応していること。もちろんそもそもスタイラスに対応していないPCでは利用できませんが、「Bamboo Ink」1本で、下記のとおり非常に多くのタブレットや2in PCのペン入力をサポートしています。

ワコム「Bamboo Ink」直販価格8,980円(税抜)

本製品の同梱物一覧。製品本体、単6形アルカリ電池、Bamboo Ink用ペン先キット(ACK42416)、クイックスタートガイド、製品に関する重要なお知らせ……などが同梱されています

Bamboo Inkの電池込みの実測重量は約19.1g。見た目の印象より軽いですね。個人的な好みではもう少し重くてもよいです

Bamboo Ink動作検証済みデバイス一覧(※製品公式サイトから転載、8月12日時点)
ASUS Transformer Pro T304UA/ TransBook T304UA、ASUS Transformer 3 T303UA / TransBook 3 Pro T303UA、ASUS Transformer Mini T102HA/ TransBook Mini T102HA、Dell Venue 10 Pro 5000 Series (5055)、Dell XPS 13 2in1、Fujitsu LIFEBOOK P727、Fujitsu LIFEBOOK T937、HP EliteBook x360 1030 G2、HP Elite x2 1012 G1、HP Elite x2 1012 G2、HP ENVY 8 Note Tablet、HP Pavilion x360 14-ba000、HP Pro x2 612 G2、HP Spectre x2 12t、HP Spectre x360 13-ac000、HUAWEI MateBook E、Lenovo ThinkPad X1 Tablet、Lenovo ThinkPad Yoga 260、Lenovo ThinkPad X1 Yoga、Lenovo ThinkPad P40 Yoga、Lenovo ThinkPad 10 (2nd Gen)、Lenovo Miix 510、Lenovo Miix 720、Lenovo Yoga 720 (13")、Microsoft Surface 3、Microsoft Surface Pro 3、Microsoft Surface Pro 4、Microsoft Surface Pro、Microsoft Surface Book、Microsoft Surface Laptop、Microsoft Surface Studio、Toshiba dynabook V82/D、Toshiba dynabook V72/D, VZ72/D、Toshiba dynabook V62/D, VZ62/D、Toshiba dynabook V82/B, VZ82/B、Toshiba dynabook V72/B, VZ72/B、Toshiba dynabook V62/B, VZ62/B、Toshiba dynabook V42/B, VZ42/B、Toshiba dynaPad N72、VAIO Z (flip)

ワコムAESテクノロジーとMicrosoft Penプロトコルのふたつの規格に対応しているBamboo Inkですが、それぞれの規格に対応した製品で利用するためには、Bamboo InkとPC本体でモードを合わせる必要があります。モードは、側面のボタンを2秒間長押しすることで切り替えます。つまり、異なる規格に対応したPCを並べて、モードを切り替えずに交互にペン操作することはできません。

ワコムAESテクノロジーとMicrosoft Penプロトコルのモード切り替えは、側面のふたつのボタンを同時に2秒間長押しすることで実行します。数秒単位でモードを切り替えられるとは言え、片手持ちから上の写真のような両手持ちにひんぱんに変えるのはちょっとメンドーですね

どちらのモードに切り替えたのかは青いLEDの光り方で確認できます。1回点灯はワコムAESテクノロジーに、2回点灯はMicrosoftペンプロトコルにモード切り替えしたことを示します。青いLEDはボタンのすき間からわずかに見えるだけなので、明るい場所ではわかりづらいです

Bamboo Inkは側面にふたつのボタン、ノック部分にひとつのボタンが用意されています。ノック部分のボタンを利用するためにはBluetooth経由でペアリングしておく必要があります。そのためモードを切り替えても、ノック部分のボタンはペアリングしているPCでしか利用できません。たとえば自宅PCとモバイル用PCの両方でペン機能を使う、という人にはちょっと手間ですが、基本的に1つのPCだけで使うという人には問題ないでしょう。

たとえば「Surface Pro 4」では、上ボタンワンクリックで「Windows Ink ワークスペース」、ダブルクリックで「画面スケッチ」、長押しで「付箋」が起動します。これらアプリケーションを呼び出す機能が、ペアリングしているひとつのPCでしか利用できないわけです

なお、スペック的に留意いただきたいのが連続動作時間。1日2時間で週5日間利用するという条件の連続動作時間はワコムAESテクノロジーでは約5カ月、Microsoft Penプロトコルでは約2カ月と大きな開きがあります。スーパーやコンビニでは、Bamboo Inkの電源となる単6形アルカリ電池を扱っていない店舗も多いので、Microsoft Penプロトコルで主に利用するなら買い置きしたほうがよいですね。

使い勝手はGOOD! 三角ボディが手に馴染む

さて肝心のスタイラスペンとしての使い勝手は非常に気に入りました。三角形のボディは手に馴染みますし、ソフトタッチの表面加工は滑り止めの効果が期待できます。ただし、加水分解でベタベタになりそうな表面加工なので、長期間保管する際には湿気の少ない風通しのよい場所に置きましょう。

ボディーは三角形の形状を採用しており、3本の指でホールドした際にそのすき間にしっくりと収まります

Bamboo Inkのサイズは長さ147mm、直径10mm。スタイラスペンとしては標準的なサイズです

第2回では、使い勝手について掘り下げてレビューしていきます。