若者たちの心を掴めるか

もうひとつのターゲットはどうだろうか。オシャレを武器に売り込む相手は、10~20代の若年層。イメージとしては、SNSや動画ストリーミング、ゲームなどエンタメコンテンツを楽しむことに積極的な若者たちだという。

若年層をどう取り込むかが課題に

個人的には、このターゲットが非常にひっかかるところだ。なぜなら、若年層は大手携帯電話会社が学割施策などでがっちりと押さえているところだからだ。

そもそも生徒ともなれば、携帯電話料金を親が支払っていることが多い。自分の支払いでなければ、わざわざ格安な端末を選ぶ必要もないだろうし、親にしてみても、「家族割引が効くなら……」などといった理由から、積極的に料金プランの見直しを行おうとしない人たちも多い。仮に自分で支払うようになっても、そのまま大手キャリアのサービスを使い続ける人が多いのも事実だ。

今となっては格安スマホ、格安通信という言葉が多くの人に認知されているが、この市場を牽引してきたのは、ガジェット好きな40代の男性である。今なお、10代、20代の取り込みは難しいターゲットとしてみるMVNOもあるくらいだ。

MMD研究所調べ。格安SIMユーザーノ性年代を見ると10代は極端に少なく20代も割合少ない

同社は、若年層向けの最適なプロモーションを検討中としているが、まだその具体策は見えないまま。販売ルートは家電量販店、ECサイトほかMVNOであり、MVNOではかなり有望なところもあるとほのめかすが、それであっても、第1弾で狙うターゲットはなかなかハードそうだ。オシャレ感の強さと価格は大きな武器に、日本市場にどれだけ食い込んでいけるだろうか。