公園、緑の堤防…人が集まる“場所”に変化

このほか、水辺の環境整備の施策のひとつとして「隅田川テラス」がある。綺麗に舗装された遊歩道が広域にわたって続き、テラス沿いは公園が点在。地域住民や観光客の憩いの場となっている。

「隅田川テラス」。水辺を歩きながら風景を眺めたり、ランニングしたりと、川が日常的に利用する場になりそうだ

また、テラスと同様に整備が進められているのが「スーパー堤防」。緑化された幅の広い堤防は、地震や高潮に対しての安全性に加え、人が水辺に近づける親水性を高めるとして、隅田川沿いすべてを整備するよう計画されているという。

スーパー堤防が緑化されて、憩いの場に! (出展: 「隅田川等における新たな水辺整備のあり方」」東京都建設局河川部)

さらにこれまで無機質だった堤防の壁も有効活用。「壁は“隅田川テラスギャラリー”と名付けました。近隣学校の生徒さんの絵画や江戸名所の浮世絵などを展示し、川沿いを散策する方や水上バスの乗船客を和ませています」と冨澤さん。

暗くて寂しい印象があった壁は、下町らしく浮世絵で!地域と世界をつなげる“隅田川テラスギャラリー”。「両国 隅田川テラスギャラリー(東京都建設局河川部提供)」

そして隅田川沿いにあるタリーズコーヒー隅田公園店も、前述の河川敷地占用許可準則の改正により実現した東京都初の河川敷オープン店。公園の景観を損なわないよう外観は木の温もりを感じさせるものになっており、地元への配慮も見える。

タリーズコーヒー隅田公園店(出展: 「隅田川等における新たな水辺整備のあり方」」東京都建設局河川部)

「これらの水辺整備を通して、人々が集まる場所としての機能や魅力だけでなく、移動性や回遊性を高め、人の流れを生むような環境づくりに取り組んでいきたい」(冨澤さん)