9月15日から18日まで幕張メッセで開催された東京ゲームショウ。MSIとSteelSeriesの合同展示ブースでは、バックパック型PC「MSI VR One」が世界初公開となった。

「VR One」を背負ってみたところ。普段からバックパックを使っているので、この程度の重さなら全く問題なさそうだ

カモフラの別バージョンとHTC VIVEを装着した様子。VIVEのHDMIケーブルや電源ケーブルが邪魔にならず装着できていることがわかる。VR Oneでは短いサイズのケーブルが付属される予定だ

VR OneはすでComputex 2016でプロトタイプが公開されたが、今回公開された量産試作版は大きくブラッシュアップされており、MSIの本気が伝わってくる。Computexで公開したから重量を30%、容積が35%、40%の薄型軽量化を実現した。また、グラフィックスをNVIDIA GeForce GTX 980からNVIDIA GeForce GTX 1070 / GTX 1060とすることで、パフォーマンスが最大160%まで向上している。

Computecのコンセプトモデルから小型軽量薄型かつパワフルでバッテリ駆動時間も長くなったという

筐体は専用設計で、本体上部にインタフェースを配置し、VRヘッドマウントと接続しやすくなっている。さらに本体下部に内蔵した2基のバッテリーは、ホットスワップに対応。Viveをフルに動作させた状態で、90分の連続駆動を実現するという。

現状のVRシステムでは、動く際にケーブルが絡まってしまうこともあり、ケーブルの処理が大変で、大抵はケーブルを持つ係が必要となっている

ノートPC用とはいえ最上位のCPUとGeForce GTX 10シリーズの威力でVRパフォーマンステストでも十分な速度を出している

ブースで説明を行ったエムエスアイコンピュータージャパンの三好氏によれば、用途としてアミューズメントパークのVRアトラクションも想定されているという。価格や発売日はまだ未定としながらも、同スペックのゲーミングノートPCと比較すると専用設計が多く、それよりもやや高くなるだろうという見込みを示していた。

想定スペック。年末までには出荷したいとのこと

会期初日はプレス説明会のため混んでおり翌日に背負わせてもらったが、「普段の取材セット(一眼+コンパクトデジカメとノートPC、ICレコーダー、モバイルバッテリなど)」と比較しても小型で軽かった。

さらに、今後投入予定のデスクトップゲーミングPCとしてAegisを紹介。約20LとゲーミングPCとしてはかなりの小型なことが特徴だ。また、一部液冷を含めて静音性を実現しつつ、十分なパフォーマンスを持つ製品になるという。年内にも販売したいとしている。

小型ゲーミングPC「Aegis」盾をイメージしたゲーミングPCでかなり個性的なデザインだ

横から見たAgeis。下の台の中に電源ユニットが収められている

Ageisは約20LとゲーミングPCとしてはコンパクトな筐体を採用

想定スペック表。ここではGeForce GTX 900シリーズが記載されているが、実際の製品ではGeForce GTX 1070が搭載されるようだを投入する用意があるようだ。こちらも2016年中の出荷を目標としている

冷却システムとエアフローに工夫があり、全負荷時でも32dBと静音性がよいのが特徴だ

なお、Agiesの派生モデルとしてAgeis Tiもあり、筐体が大型化している一方SLI対応になっている。こちらについては日本国での投入は未定だ。

こちらは兄弟モデルとなるAgeis Ti。大型になっているが、SLI対応となる

日本初公開のPCパーツも展示

ブースでは、ゲーミングPCだけではなく、PCパーツでも日本初お目見えの製品がいくつか展示されていた。グラフィックスカードでは、MSI設立30周年を記念した水冷仕様のGeForce GTX 1080搭載カードを公開。高品質のコンポーネントやEK製水冷ユニットを採用し、動作クロックをリファレンスクロックから引き上げている。日本国内での発売予定えや価格は未定。

MSI 30周年スペシャルモデル。液冷仕様で奥にチラと見える木箱に収められて販売される

反対側から見た様子

マザーボードでは、事前の予告通り、最新USB 3.1 Gen2コントローラを搭載したゲーミングマザーボード「A170A GAMING M6」を展示。従来モデルで多く採用するASM1142では、PCI Express 2.0 x2(10Gbps)接続、またはPCI Express 3.0 x1(8Gbps)接続であるため、USB 3.1 Gen2の最大10Gbpsの転送速度が発揮できないケースがあったという。

Z170A GAMING M6

「A170A GAMING M6」で搭載するASMedia ASM2142では、PCI Express 3.0 x2接続をサポートすることで、最大16Gbpsのスループットを実現。2基のUSB 3.1 Gen2ポートを使った場合でも、最大限のパフォーマンスを発揮するとしている。

ASMediaのUSB3.1Gen2コントローラ「ASM2142」を使用し、PCIe3.0 x2接続で高スループットがウリ

また、AMDプラットフォームの製品では「A68HM GAMING」を紹介。USB 3.1 Type-A/CやM.2スロット(SATA/PCIe 2.0x4接続サポート)といった最新のインタフェースを搭載している。このほか、チタン合金バックプレートを採用したGAMING TITANIUMシリーズ(X99A/Z170A)も今後投入予定だという。

A68HM GAMING。バックパネルにUSB3.1 Gen2としてUSB Type-AとType-Cコネクタが用意される。また、M.2にも対応

チタン合金バックプレートを採用したGAMING TITANIUMシリーズは3モデルを用意

さて、Computex 2016で参考展示されていたMSIブランドのCPUクーラーでもアップデートがあった。製品名が「CORE FROZR」となり、同社製ぐライフィックスカードで採用する「TWIN FROZR」とそろえた形だ。

MSIブランドのCPUクーラー「CORE FROZR」も形になりつつあるようだ

2本の8㎜径ヒートパイプに加えて、120㎜のトルクスファンを搭載。PCI Express x16 #1のクリアランスを確保し、グラフィックスカードとの干渉を抑えるという。こちらはどういった形で提供するかは未定で、単体販売や何かの製品に付属などさまざま検討しているとのころだ。