MBJはカフェやレストランなどを併設するアンテナショップ「メルセデス・ベンツ コネクション」を東京と大阪で運営しており、これらの施設で独自のポイントカードである「コネクテッドカード」を展開している。

施設の利用や試乗などでポイントを溜めることができる同サービスは、MBJがTポイントと提携することにより終了する。具体的にいえば、MBJ独自のポイントを獲得できるのは2016年9月末まで、同ポイントを使用(施設の利用やグッズとの交換)できるのは2017年6月末までとなる。そのかわり、メルセデス・ベンツ コネクションでは、Tカードを提示することによりTポイントが溜められるようになる。つまりCCCとしては、メルセデス・ベンツに関心のあるTカード会員の情報を分析できるようになるのだ。こういった分析から、MBJに販促に役立つフィードバックを提供することも可能となる。

メルセデスは自動車ブランドとして初めてオリジナルデザインのTカードを発行する

両社に共通するのは「ライフスタイル」重視の姿勢

そもそもCCCとメルセデスが協力関係を構築できたのは、ライフスタイルの提案に重きを置く両社の姿勢に共通点があったからだ。「完全自動運転が実現すれば、クルマでの移動は生活時間の一部となる」。こう語るメルセデスの上野社長は、クルマでの移動時間が生活時間とイコールになる未来を見越して、ライフスタイル提案に注力する企業との協業機会を模索していたという。

両社の協業プロジェクトとして、まずは代官山蔦屋書店を活用したショールームの取り組みが進むわけだが、上野社長が自動運転実現後の未来にまで言及したところから考えると、両社は「クルマのあるライフスタイルの提案」を軸に長期的な関係を構築していくつもりでいるようだ。「企画会社」(CCCのHPより)を名乗るCCCが、自動車メーカーとの関係からどのようなプロジェクトを仕掛けてくるのか。次に出てくる協業案件にも注目したい。