市場は拡大の見込み

JMIC副理事長を務めるシニアーライフ 代表取締役 升村要氏

JMICの目標は、2025年に成婚数を2倍にすること。具体的には、サービス利用者間の結婚による退会届出人数を2015年の年間約23,100人から倍、すなわち年間約46,000人にすることを目指す。未婚・晩婚化が進行していること、少子化社会対策の一環として政府も「適切な出会いの機会の創出・後押し」(2015年3月「少子化社会対策大綱」)を求めていることなどから、婚活市場はこれからも拡大していくだろう。

さらなる会員数増加のために、JMICとしてはサービスの信頼性向上に努めていく方針だ。たとえば加盟非加盟問わず、婚活サービスの消費者相談に応じる「お客様相談室」の設置、倫理綱領や自主規制基準の制定などの取り組みが挙げられる。自主規制基準には「独身証明書」の提出なども含まれ、より安心してサービスを使ってもらえるよう、各社協力して体制を整えていく。なお、現在は18ブランドが加盟しているが、今後も独身証明書の提出を義務付けている団体などに限って参加団体を増やすこともあるという。

信頼性向上に留まらず、初期費用がかさむことも独身男女にとってハードルが高いとJMICは考えている。こうした人をサポートするための助成金支給についても政策提言していく考えだ。あくまで筆者が調べた範囲だが、プランや地域などで異なるものの、JMIC加盟の結婚相手紹介サービス初期費用はおよそ10~20万円が相場といったところ。なかには、初期費用だけで40万円近くかかるプランもあった。このほか別途で支払う月会費は1.5~2万円前後というのが一般的なようだ。いくら結婚に対して真剣に考えていても、誰もが簡単に支払える金額ではないだろう(あくまで、より多くの人へ広めていくための話。ハイクラス向けを謳い、あえて会費を高めに設定しているサービスもある)。

JMICの活動内容

大手企業の参入などで、認知度も高まっている婚活。利用者の"お財布事情"はあるものの、積極的なテレビCMなどの広告によって、消費者の心理的なハードルは下がってきていると感じる。追い風が吹いている状況ではあるものの、個人的にはまだ足りないと思う点がある。

それは成婚後のカップルの動向だ。JMICは事業計画のひとつとして「独身者の動向に関する調査・研究」を掲げるが、成婚後の動向については、縣氏によれば「メールマガジンの登録状況などで把握している」程度とのこと。JMICとしてきちんと継続して調査していけば、それは婚活サービスの"ウリ"になるのではないだろうか。