ブラザー販売は8月31日、インクジェットプリンタ「PRIVIO(プリビオ)」シリーズの新製品となる8機種を発表。9月下旬から順次発売する。プロモーションキャラクターは2014年から引き続き、歌舞伎俳優の"中村勘九郎・七之助ブラザーズ"が務める。

フォトセッションの1コマ。左から中村七之助さん、ブラザー販売の片山社長、中村勘九郎さん

【左】【中央】今回発表された新製品。DCP-J963N-W(ホワイト)とDCP-J963N-B(ブラック)。1回のインク交換で500枚のカラー印刷に対応する、BASICシリーズで一押しの製品だ。【右】DCP-J562N。両面プリント機能を備えたベーシックモデル

【左】DCP-J762N。両面プリント機能とレーベル印刷対応。背面給紙にも対応。【右】MFC-J880N。ファックス機能も備えており、ADFも搭載

【左】【中央】DCP-J4225N-W(ホワイト)とDCP-J4225N-B(ブラック)、大容量インクカートリッジで1,200枚のカラー印字に対応するNEOシリーズ。手差し給紙でA3印刷が可能だ。【右】MFC-J4725N。ファックス機能を備えたNEOシリーズ

今年は「ブラザーはできる4色インク」がキーメッセージ

発表会ではまずブラザー販売の片山社長が壇上に立ち、「2011年から一般向け製品をFAX機からインクジェットプリンタ・複合機にシフトし、店舗での認知度とシェアを伸ばした」ことを紹介。今年は「ブラザーはできる4色インク」をメッセージとして、画質とコストを両立していることをアピールするほか、スマートフォンやタブレットからの印刷、他社との連携といった概略を述べた。

ブラザー販売 代表取締役社長 片山俊介氏

キーメッセージは「ブラザーはできる4色インク」。今回の発表会でこのスライドは5回登場しており、イメージを強く打ち出す

続いてブラザー販売 常務取締役の三島氏がマーケティング戦略を説明。「今年も年末商戦に向けての発表会の季節がやってきた。短い一年だ」と振り返りつつ、フルモデルチェンジを敢行し、サービスも一新して年末商戦に臨むとした。ブラザーは2011年から一般向け製品をFAX機からインクジェットプリンタ・複合機にシフトしており、消費税の増税やWindows XPサポート切れの反動があったものの、シェアは堅調に推移。プリンタ売り場での存在感も高まったという。

ブラザー販売 常務取締役 三島勉氏

消費税の増税とWindows XPサポート終了前の駆け込み反動のため、2014年の市場はやや縮小したものの、ブラザーのシェアは堅調

ブラザーのインクジェット機は、印刷コストの満足度が他社と比べて高いが、購入前にランニングコストを調べている人は少ないそうだ。そこで今年から、インクカートリッジ(1セット)あたりの印刷枚数を積極的に公開することにした。

また、スマートフォンとタブレットの普及に対して「私ですら複数台を所有している」と、保有率の急激なアップを分析。スマートフォンとタブレットに充実したプリントライフを提供するため、人気アプリとの連携強化やコンテンツ強化を図る。年末商戦で最大の差別化要因としては年賀状印刷を掲げ、テンプレートなどが充実した年賀状印刷アプリを提供する。これらの施策により、2015年はシェア「15%」を目指す。

ブラザーの特徴は印刷コストに対する満足度の高さ。Twitterなどでもその傾向が見られるという

今回からコストだけでなく、インクカートリッジでどれだけ印刷できるかを明示することになった

PRIVIOは顔料ブラックインクで文字の水濡れに強く、カラーインクには染料系を用いている

さらに4色独立タンクで、使い終わったインクだけを交換できる

近年はスマートフォンとタブレットの所有率が上がっている

今回のアピールポイントは4つ。置き場所については、新エンジンによって最大15%のサイズ縮小を果たした

スマートフォンは自社アプリやGoogle/Appleの印字サービスに加えて、人気アプリとの連携を強化

これまでオープンテラスとして提供していたコンテンツ提供サイトをリニューアル

スマートフォンから年賀状を簡単に作れるアプリを提供

15%のシェアを目標とする

最後にブラザー販売 マーケティング推進部長の大澤氏が、今年の新商品の概要を説明した。新製品はBASICシリーズで5機種、NEOシリーズで3機種の計8機種を投入する(色違い含む)。特にBASICシリーズでは、新インク(211カートリッジ)を採用して色表現範囲を広げているという。

ブラザー販売 マーケティング推進部長 大澤敏明氏

「おトクにできる」としてカートリッジあたりの印刷枚数をアピール

「キレイにできる」として新インクで発色域をアップした

今回は「4つのできる」がアピールポイント。1つ目は「置き場所が自由にできる」で、例えば新エンジンを採用したDCP-J963Nでは、前モデル比15%の体積減を実現。さらに、すべてフロントオペレーションということで、狭いスペースでも設置できる。

2つ目は「スマホからラクラクできる」。自社のBrother iPrint&Scan、プリントサービスプラグインに加えて、AppleのAirPrintとGoogleクラウドプリントにも対応していることを挙げた。人気のスマホアプリ、パペルックの写真コラージュアプリ「パペルック」、LINEのカメラアプリ「aillis」とも連携する。

3つ目は「年賀状が簡単にできる」。スマホ用アプリとして提供する「ブラザー年賀状プリント2016」では、3ステップで年賀状印刷が行えるだけでなく、今まで利用していた年賀状アプリの住所録をインポート可能に。また、日本郵便のはがきデザインキット2016との連携と、WebアプリのWeb年賀状キット2016も追って対応する。

最後に「コンテンツで楽しくできる」を挙げ、従来プリビオ・オープンテラスとして提供していたコンテンツサイトを、プリントテラスと改名。一層のコンテンツ充実を図っていく。

従来モデルのDCP-J957Nと比較して、新製品のDCP-J963Nは15%の体積減を実現

設置場所を選ばず、かつフロントアクセスで容易な操作

スマホからの印刷に幅広い接続方法、アプリとWi-Fi Directによる簡単接続を実現

【左】さらに直接指定できるアプリとしてPapelook/aillisが対応した。【中央】【右】スマホからの年賀状印刷も手軽に。これまで使っていた年賀状アプリからの住所録インポートに対応した

さらに他社の年賀状アプリとの連携を予定

コンテンツサイトオープンテラスはプリントテラスとしてリニューアルされ、本日(8月31日)から公開される

【左】展示から。年賀状に関してはスマホアプリ「Brother年賀状プリント」に加え、日本郵便のアプリとの連携と、Webアプリケーションで対応する。【中央】【右】年賀状プリント2016のサンプル画面。ここで年賀状作成を選択し、テンプレートから作成を選ぶだけで、すぐに印刷可能だ

無料コンテンツサイトと連携スマホアプリの紹介パネル

papelookの印刷画面。コンビニプリント指定の他に、ブラザープリンターに対応していることがわかる

今回の発表会場はBrotherの東京ショールームの隣。ショールームはすでに新広告イメージにリニューアルされていた

「中村ブラザーTV」ユーチューバーデビュー

続いては、中村勘九郎・七之助ブラザーズが登場。まず兄弟が出演する新CMが上映され、歌舞伎役者ならではの力強く、優美な動きでブラザー製品の魅力を伝えるというコンセプト。TVCM「できる4色インク篇」は、9月5日から全国でオンエア予定(YouTubeでは公開中)。

プロモーションキャラクターは、昨年から引き続き中村ブラザーズが担当

さらに中村ブラザーズは、YouTube「中村ブラザー!TV」にて、「PRIVIOセットアップ篇」、「PRIVIOスマホプリント篇」をすでに公開。発表会の会場で「PRIVIO 500枚プリント挑戦篇」を公開録画し、8月31日の夜からYouTubeで公開されている。

発表会での公開録画から