2つのお茶プレッソ、見た目のちがい

新機種を目の当たりにしてみると、旧機種よりもひと回り大きく見える。これは、オレの心眼が新機種のオーラをとらえて大きく見せているのか……?

「まさに達人同士の戦いだな!」と思ったが、次の瞬間、新しいお茶プレッソの「TE-TS56V」は新機能が搭載されたモデルであることに思い当たった。TE-TS56Vは「湯ざまし機能」を持つため、冷却ファンなどが本体に備えられている。そのため、ただ単に、物理的に大きくなっただけだった。大きくなったことによって、一度に淹れられるお茶の量も、マグカップ3杯から4杯に増えた。

新しいお茶プレッソの上位モデル「TE-TS56V」は、旧機種よりひと回り大きい(左が新機種、右が旧機種)

一度に3杯しか淹れられなかったが、4杯まで淹れられるようになった

「フッ、始まる前から心理戦か……やるな」と、一人納得したオレに編集者は「このお茶、うすに入れて挽いてください」と、茶葉が入った袋を明るく手渡してきた。どうやら、オレとお茶プレッソの間の心理戦に気がついていないようだ。平和なものだ。

香りをかいでみると、なかなかいい茶葉であることが伝わってきた

この電動のお茶うすで茶葉を細かく挽く

ついに戦いは始まった

アイマスクをして、視界が真っ暗になったオレ。み、見えない……!

新旧のお茶プレッソで茶葉を挽き終え、いよいよお茶を淹れる。オレはブラインドテストのため、目隠しをした。そんなオレの右手に編集者がお茶の入ったカップを渡す。目隠しをしているとカップを的確に握るのもひと苦労だ。いよいよカップを口に当てて、茶葉の細かさを探っていく。いうまでもなく、精神力を要する作業だ。

お茶のテイスティングを終えたオレは、内心の不安を隠しながら自信満々に言った。「わかった。最初に飲んだほうが新機種のお茶だ!」

「さすがです、一条さん! 当たりです!」と、編集者の目が輝いた(はずだ)。

なんとかカップを手にしてひと安心。視覚を遮っているので、感覚が研ぎ澄まされている……はず

1回目はみごと正解!

新旧機種で挽いた茶葉。ちがいがわかるだろうか? 正解は左が新機種、右が旧機種だ

「さすがオレだな」と思っていたが、テイスティング用カップを片付けようとして、編集者の目が疑念に曇った。「あれ? 一条さん、こっちのカップのほうが熱いですね。もしかしてですけど、温度のちがいでわかったんじゃないですか?」

こんなことを編集者が言い出したのだ。