ヤフーは3月20日、全国のインターネット利用者を対象に実施した「ネット利用と節約に関する意識調査」の結果を公表した。同調査は、Yahoo! BBが提供する固定インターネット回線とのセット契約により、ソフトバンクのスマートフォンの利用料金が割引される「スマート値引き」の提供開始に伴い、消費者のネット利用意向と節約志向を明らかにするために実施されたもの。対象は、インターネットを利用する全国の30代から50代の既婚男女600名。

同調査の結果をまとめると、次の通りとなる。インターネット回線を契約する際、契約内容を詳細まで確認する人はわずか8%で、さらに3人に1人が契約内容が不明瞭のまま"なんとなく"契約している実態が明らかになった。また、インターネット回線やスマートフォンなどの通信費を高いと感じている人が約7割に上った一方、一旦契約したプランの変更については約6割の人が「経験なし」と回答。プラン変更や乗り換えのハードルが高いことがわかった。

ネット回線の契約内容を詳細まで確認する人はわずか8%

まず、「インターネット回線を契約する際、契約内容がはっきりしないまま、なんとなく契約してしまうことがあるか」と尋ねたところ、全体の39.8%が「ある」と回答し、3人に1人以上がインターネット回線を"なんとなく"契約していることがわかった。

また、「インターネット回線を契約する際、規約や契約内容をどの程度確認するか」を聞いた質問では、「詳細まですべて確認する」という回答は全体のわずか8.0%にとどまったほか、「ざっくりと一通りすべて確認する」が33.0%、「重要そうな部分だけ確認する」が45.2%、「ほとんど確認しない」が13.8%となり、9割以上の人が契約内容を隅々まで確認することなく契約に至っている実態が明らかになった。

インターネット回線を契約する際、契約内容がはっきりしないまま、なんとなく契約してしまうことがあるか

インターネット回線を契約する際、規約や契約内容をどの程度確認するか

次に、「自宅での1か月あたりの通信費をどう思うか」を尋ねたところ、「非常に高い」が20.7%、「高い」が47.7%となり、合計して約7割の人が通信費を高いと感じていた。一方、「インターネット回線の契約で、プランの見直しや契約会社変更を検討したことはあるか」を聞いたところ、「ほとんどない」が40.5%、「変更したことはないが検討したことはある」が18.5%となり、通信費が高いと感じつつも、約6割の人は契約プランを変更した経験がないことがわかった。

自宅での1か月あたりの通信費をどう思うか

インターネット回線の契約で、プランの見直しや契約会社変更を検討したことはあるか

また、1カ月あたりの通信費について聞いたところ、全回答者の平均価格はインターネット回線が「5,181円/月」、携帯電話・スマートフォンが「11,841円/月」という結果になった。仮に、インターネット回線と携帯電話・スマートフォンの両方とも利用していると想定した場合、1カ月あたりの通信費の支出は17,000円以上と、かなり高額になる。

1カ月あたりの平均通信費

節約したい支出の第1位は「通信費」、セット割の認知度は約9割

続いて、生活費の支出におけるニーズや要望についても調査を行った。まず、「もっとお金をかけたい・増やしたいものはなにか」を尋ねたところ、1位は「貯蓄」(51.3%)だった。一方で、「もっと節約したい・減らしたいもの」を聞くと、1位は「通信費」(29.7%)となり、2位「普段の日の食費」、3位「嗜好品(たばこ、お酒など)」を上回る結果になった。

生活費のうち、もっとお金をかけたい・増やしたいものは?

生活費のうち、もっと節約したい・減らしたいものは?

また、スマート値引きをはじめとする固定・スマホのセット割について、知っているかを尋ねたところ、「すでに利用している」が27.2%、「使っていないが、サービスの内容まで知っている」が22.0%、「使っていないが、聞いたことはある」が39.3%となり、固定・スマホのセット割を9割弱の人が知っていることが明らかになった。

携帯電話・スマートフォンと、家のインターネット回線の両方の契約で、割引になるサービスを知っているか

このほか、契約時にもらえると嬉しい特典について聞いたところ、83.2%の人が「月々の料金が割引になる」ことと回答した。2位「商品券などのキャッシュバック」、3位「Tポイント、楽天ポイントなどのポイント」などと比べて、料金の割引によりメリットを感じている人が多いことがわかった。

契約時にもらえると嬉しい特典は?

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ヤフーが実施した今回の調査結果では、消費者が契約内容をよく確認することなく、インターネット回線を契約していることが明らかになった。また、同調査からは、インターネット回線の通信費を高いと感じながらも、契約プランの変更にはなかなか踏み切れない消費者心理を読み取ることができる。

しかし、NTT東西が光回線の卸売りを開始したことに伴い、主要キャリアやMVNOが相次いでセット割の提供を開始しており、いまはインターネット回線を見直す絶好機だと言える。たとえば、「スマート値引き」の場合、「SoftBank光」などのYahoo! BBの固定インターネットと、ソフトバンクのスマートフォンをセットで契約することで、1人あたり毎月最大2,000円(税込)の割引になるなど、通信費をかなり節約することができるだろう。各社が提供する固定・スマホのセット割の契約内容をよく確認しながら、インターネット回線の見直しを検討してみてはいかがだろうか。