フラッグシップ製品の代わりにウェアラブルに注力する会社も

スマートフォン市場のこうした推移は、メーカーの次なる戦略にも現れている。「スタイリッシュな端末」「とにかく頑丈な端末」「(使えるレベルで)とにかく安さを追求した端末」といった具合に、パフォーマンスや機能を求めるのではなく、横方向にバリエーションを拡大する形で他社製品との差別化を行い、その存在感をミッドレンジ以下の市場で誇示していくことが重要になっている。

Yota Phoneのような背面に電子ペーパーを搭載した端末が登場したように、こうしたユニークなアピールポイントを持つ製品が今後さらに登場すると予測できる。筆者はまだ会場をまわり切れていないため、ユニークな端末製品にはあまり目にかかっていないが、「製品バリエーションの拡大でさまざまなニーズに応える」というのがスマートフォン市場攻略での重要なポイントになると考える。

ここ1~2年は「スマートウォッチ」や「スマートバンド」など、いわゆる「IoT」や「ウェアラブル」などと呼ばれるデバイスが多数発表され話題となっているが、こうしたデバイスが多数登場したきたのも、スマートフォン市場の変化とは無縁ではない。特に先進国においてスマートフォン需要が一巡しつつあるということもあり、需要喚起や新たなニーズへの対応にウェアラブル系のデバイスが向けられている。

例えば、Huaweiはスマートフォン2製品「Y635」「Y360」とタブレット「MediaPad X2」を発表しているが、スマートフォンに関してはどちらかといえばミッドレンジ以下をターゲットとしており、むしろ注目はスマートウォッチの「Huawei Watch」だろう。Android Wearをベースとしており、丸形の時計形状に高級時計を面合わせる"フェイス"をプリセットで複数搭載しており、むしろ「多機能なデザイン時計」を標榜している印象だ。同社は「Huawei 4.5G Smartband」というスポーツ用途のスマートバンドも発表しており、今年のモバイルはウェアラブル中心に推していく構えだ。

Huawei Watch

丸形形状のスマートウォッチを昨年2014年のIFAでアピールしていたLGも、今年のMWCは「LG Watch Urbane LTE」を発表している。その最大の特徴は製品名からもわかるようにLTEに対応しており、スマートフォン連動なしでもデータ通信や通話がスマートウォッチだけで独立して利用できる。GPSも内蔵しており、独立した位置情報取得が可能なほか、NFC対応によるタップ&ペイなど、およそ全部入りともいえる機能を備える。最も気になるのはバッテリ駆動時間だが、もはや機能的にはスマートフォンの"コンパニオン"なデバイスとは呼べず、IP67の生活防水機能と合わせ、スマートウォッチの使い方も大きく変化するだろう。

LG Watch Urbane