NS850のベンチマーク結果を紹介しよう。Broadwell世代のIntel Core i7-5500Uがどれほどの性能を持っているのか、気になるところだ。まずWindowsシステム評価ツールの結果については、下表のとおり。表の項目は内容をイメージしやすいように、旧来型の「Windowsエクスペリエンスインデックス」のスコアに置き換えている。

■Windowsエクスペリエンス インデックス(WinSAT.exeの結果)
プロセッサ 7.4
メモリ 7.7
グラフィックス 5.5
ゲーム用グラフィックス 5.7
プライマリハードディスク 5.9

最新CPUを搭載しているだけあって、確かにスコアは悪くない。だがクアッドコアCPUを搭載していた従来モデルと比べると、パワーダウンしている印象だ。現時点でBroadwellのモバイル向けクアッドコアCPUが登場していないという理由もあるのだが、デュアルコアCPUと先進機能の組み合わせがNS850のコンセプトなのかもしれない。考えてみると、ホームエンタテイメント向けのPCに、クアッドコアCPUは少々オーバースペックであるようにも思える。

CPUとして使われているIntel Core i7-5500U(2.40GHz)は2コア4スレッドで動作

CPUの性能を計測する「CINEBENCH R15」の結果。Haswell世代の同クラスCPU、Intel Core i7-4510U(2GHz)と比べて性能はわずかに向上しているが、クアッドコアCPUよりは劣っている

またストレージのスコアが「5.9」止まりなのは、ハイブリッドHDDを採用しているためだ。キャッシュにフラッシュメモリを搭載したハイブリッドHDDは、標準的なHDDよりもアクセスが高速というメリットはあるが、SSDでないと「5.9」以上のスコアにならない。ただし「CrystalDiskMark」によるアクセス速度の計測結果を見る限りでは、十分実用的に使える性能だ。容量が1TBと大きい点もメリットのひとつだ。

「CrystalDiskMark」によるストレージのアクセス速度計測結果

総合ベンチマークの「PCMark 8」は、「Home conventional 3.0」で「2365」、「Creative conventional 3.0」で「2524」という結果だった。スコアとしてはそれほど高くはないが、デュアルコアCPUとハイブリッドHDDの組み合わせであることを考えれば、妥当なところだろう。

「PCMark 8」の「Home conventional 3.0」ベンチマーク結果

「PCMark 8」の「Creative conventional 3.0」ベンチマーク結果

また、スコアはそれほど高くはないものの、CPUの温度がほぼ50度以下である点に注目したい。CPUの温度がそれほど高くならないため、本体を3.5mm薄型化できたと考えられる。