美しい表現へのこだわり - 写真編

薄型テレビ「REGZA」の映像技術の一部を惜しみなく投入したというdynabook T954。同機が写真表現に優れている点としていくつかの要素があげられるだろう。

ひとつは、1台1台のPCに対して、出荷時にカラーキャリブレーション(色調整)を実施している点だ。

液晶ディスプレイは、1枚ごとに微妙に色味が異なる。そこで、dynabook T954では、製造ラインで1台ずつ色調整を実施している。これは、同社の「dynabook KIRA」シリーズでも採用している手法だ。

色調整は製造ライン上に暗室のような仕組みを用意し、カメラで撮影してパネルの特性を把握し、製品個別にパラメータ設定を行う。dynabook T954では、ハリウッド映画などで多用されているテクニカラーの認証を得た色彩で調整。これにより、限りなく自然に近い色味を再現しているという。

2つめが、カラーマネジメントアプリケーション「Chroma Tune for TOSHIBA」を採用している点だ。これによって、使用するアプリケーションや作業環境にあわせ、表示色域を変えることができるようになる。ハリウッド映画基準の「Technicolor」や、暖かみがある「Warm」といった5つの表示色域から選択できるため、写真の現像や各種デザイン用途などにおける細かなカラーマッチングが可能になる。

カラーマネジメントアプリケーション「Chroma Tune for TOSHIBA」

そして、3つめが、超解像技術「レゾリューションプラス」の採用である。

これはREGZAの「レグサエンジン CEVO 4K」をベースに、ソフトウェア技術を駆使してPC向けに最適化したものだ。写真の輝度成分のテクスチャ解析を行い、抽出されたテクスチャの特性に応じた復元処理で写真の解像感を向上させる「微細テクスチャー復元」、写真の色相ごとに輝き成分の解析を行い、写真に残された輝き成分を強調することで撮影によって失われた輝きを再現する「輝き復元」などを実現している。

根岸氏は、「プロカメラマンが撮影現場で写真の色合いを確認し、プリントアウトのイメージを調整するなどの用途でも利用できるのがdynabook T954。写真を鮮明に再現し、さらに最適な編集環境を実現する。また、ハイアマチュアカメラマンがデジタルカメラで撮影した4K以上の写真も楽しめる製品が完成したともいえる」と語る。

Adobe Photshop Lightroom 5も標準搭載し、自分が思うような写真に編集をしたい、ベストショットをさらに美しい写真へ仕上げたいといった用途にも適している