ASUSTeK Computerは22日、第4世代Intel Coreプロセッサ(開発コード名:Haswell)に対応したIntelの次期チップセット「Intel 8シリーズ」チップセットを搭載したマザーボードを先行公開した。

公開したのは、汎用性に優れた「スタンダード」シリーズ、ゲーミングブランド「R.O.G.(Republic of Gamers)」シリーズ、高い耐久性を備えた「TUF」シリーズ、ワークステーション向けの「WS」シリーズの4シリーズの製品。どの製品についてもチップセットにIntel Z87を搭載する。

いずれも2013年半ばの発売を予定しているとのことだが、6月上旬の発表が予告されている「Haswell」と近い時期に登場すると思われる。価格は未定。個別の製品の詳細について、今回はまだ明かされていないため、写真を中心に紹介をしたい。

「スタンダード」シリーズ

ASUS製マザーボードの定番である「スタンダード」シリーズ。「Intel 8シリーズ」搭載製品から、デザインとラインナップを一新。デザインは従来の青を基調としたものから、新たにゴールドを基調としたものへと変更した。

ヒートシンクや拡張スロットがゴールドに。変更の理由は「他社製品でも青が基調の製品が多いこと」と「品質の高さを表したい」とのこと

また、ラインナップは「DELUXE」「PRO」という2つのグレードは従来通りだが、そのほかを大きく変える。ASUSの広報を担当する岩崎晋也氏によると、「Intel 7シリーズ搭載製品ではIntel H77を搭載した製品の人気が高く、価格に対してシビアなユーザーが増えている」として、エントリー向けの製品を幅広く用意するという。

「DELUXE」を頂点として、次いで「PRO」、従来の無印モデルは「PLUS」というグレード名になる。さらにエントリーモデルグレードとして「A」「C」「E」「G」「K」の5モデルを展開する予定だ。

今回公開したのは、「Z87-DELUXE」「Z87-PRO」「Z87-PLUS」「Z87-A」「Z87-C」「Z87I-DELUXE」の6モデル。

システム全体の電力制御を行うカスタムチップ「EPU(Energy Processing Unit)」とオーバークロック機能を支える制御チップ「TPU(TurboV Processing Unit)」によって、性能向上を図る「DUAL INTELLIGENT PROCESSORS」がバージョンアップし、「DUAL INTELLIGENT PROCESSORS 4」となった。

ヒートシンク部分などにDUAL INTELLIGENT PROCESSORS 4のプリント

TPUやEPUの切り替えスイッチは変わらずに搭載

TPUとEPUに加えて、これまでも同社製品に搭載されているデジタル電源回路「DIGI+ Power」、ファンの制御機能「Fan Xpert 2」の4つをコントロールし、PCの利用状況に応じてパフォーマンスを最適化するという。ちなみに公開された中では、「PLUS」以上のグレードのモデルに搭載される。

それでは順番に製品を見ていこう。まずはスタンダードシリーズのハイエンドモデル「Z87-DELUXE」。

Z87-DELUXE

基板上にはPCI Express x16スロット3基、PCI Express x1スロット4基を備える。また、SATA 6Gbpsポートを8基用意する。

拡張スロットはPCI Express x16スロット3基、PCI Express x1スロット4基

SATA 6Gbpsポートを8基

ネットワークインタフェースはギガビット対応有線LANが2基と無線LANを搭載するが、基板のシルクプリントを見るとIEEE802.11ac Draftに対応するようだ。

バックパネルのインタフェース

基板には「Wi-Fi 802.11ac」とプリント

続いては「Z87-PRO」。ボードの見た目は「Z87-DELUXE」とそれほど大きく変わらないが、細かいところでチップの配置などが換わっている。拡張スロットはPCI Express x16スロット3基、PCI Express x1スロット4基

Z87-PRO

拡張スロットはPCI Express x16スロット3基、PCI Express x1スロット4基

SATA 6Gbpsポートは8基。バックパネルのインタフェースは、ギガビット対応有線LANが1基になるなど、「Z87-DELUXE」と比べるとすっきりとした印象。

Z87-PRO

拡張スロットはPCI Express x16スロット3基、PCI Express x1スロット4基

次はノーマルグレードといえる「Z87-PLUS」。拡張スロットはPCI Express x16スロット3基、PCI Express x1スロット2基、PCIスロット×2基。SATA 6Gbpsポートは8基を備える。

Z87-PLUS

拡張スロットはPCI Express x16スロット3基、PCI Express x1スロット2基、PCIスロット×2基

SATAポート

バックパネルのインタフェース

それでは新たに拡充されたエントリーモデルである「Z87-A」「Z87-C」を見ていこう。エントリーモデルだけあって、ここまで見てきたハイグレードのモデルと比べて、インタフェースなどで差がある。

まずは「Z87-A」。拡張スロットはPCI Express x16スロット3基、PCI Express x1スロット2基、PCIスロット×2基。SATA 6Gbpsポートは6基を備える。

Z87-PLUS

拡張スロットはPCI Express x16スロット3基、PCI Express x1スロット2基、PCIスロット×2基

SATAポート

バックパネルのインタフェース

続いて「Z87-C」。ぱっと見た感じでは「Z87-A」と差がないように思えるが、ソケット周りの電源回路やポート数でやはり違いがある。

Z87-C

Z87-Aのソケットまわり

Z87-Cのソケットまわり

拡張スロットはPCI Express x16スロット2基、PCI Express x1スロット2基、PCIスロット×3基。SATA 6Gbpsポートは6基を備える。

拡張スロットはPCI Express x16スロット2基、PCI Express x1スロット2基、PCIスロット×3基

SATA 6Gbpsポートは6基

バックパネルのインタフェース

会場にはMini-ITXのハイエンドモデル「Z87I-DELUXE」も展示。ボードの端にある電源回路が目を引くデザインで、従来モデルよりもしっかりと取り付けられている印象だ。

バックパネルのインタフェース

マザーの端に電源回路が取り付けられている

横から見た様子

拡張スロットはPCI Express x16スロット1基SATA 6Gbpsポートは6基を備える。このモデルもネットワーク機能として無線LANを搭載する。

拡張スロットはPCI Express x16スロット1基SATA 6Gbpsポートは6基を備える

インタフェースの様子

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