―― ブランド認知度については、どう考えていますか。

中川氏 「量販店店頭において、『AQUA=小泉今日子』というイメージは、これからも高めていきたいですね。小泉今日子さんは、AQUAの認知度を高めるという意味では欠かすことができないキャラクターです。幸いにも2年目も契約を結ぶことができました。テレビCMによる認知度向上だけでなく、量販店店頭において、より効果的に訴求する仕掛けを考えていきたいと思っています」

―― ハイアール アクア セールスでは、2015年までは、洗濯機と冷蔵庫に特化した事業を推進するとしていましたが、この方針に変更はありませんか?

小泉今日子さんを起用して認知度を高めた

中川氏 「ハイアール アクア セールスの設立時に、2015年度には500億円以上を目指すという目標を掲げました。規模の追求は重要なテーマですから、このときに、冷蔵庫や洗濯機以外の新規商品が加わるという可能性はあります。正直に言うと、現在、水面下で新規商品のプロジェクトを進めているところです。早ければ2014年度には、何かしらの新規商品を国内市場に投入できる可能性があります。

グローバルモデルのなかには、アジア地域では、外で洗濯する人が多いため、『ラジオを標準搭載した洗濯機』といったユニークなものもありますし、フライヤーについても海外市場では、高い評価を得ています。ただ、なんでもかんでも日本に持ってくるのではなくて、これがAQUAブランドの理念に沿うものであるか、AQUAブランドを高めることができる商品であるかということを、しっかりと見極めなくてはなりません。そして、品質の面でも担保できるものでなくてはならない。もちろん、新規商品を売るための営業体制も構築しなくてはならないですし、ハイアールグループとしては、日本国内市場において、ハイアールジャパンセールスによる『ハイアール』ブランド商品と、ダブルブランド戦略をとっているわけですから、その相乗効果を視野に入れた商品選定も重視していくことになります」

―― 一方で2012年、群馬県の東京R&Dセンターの移転を発表していますね。この取り組みは、今後、どうなりますか?

中川氏 「洗濯機のR&Dセンターについては、2012年に草津(滋賀県)から京都に、R&Dセンターを移転しました。京都では技術者の増員を図っています。一方で、2012年に発表した群馬のR&Dセンターは冷蔵庫の研究開発拠点となります。新たな拠点として、埼玉県熊谷市に移転し、規模を大幅に拡大。国内向け商品の研究開発に加え、グローバル商品の研究開発、さらには新たな分野の商品開発にも関わっていくことになります。大学や地元企業との連携なども同時に進めていくことになるでしょう。

つまり、日本国内における産学連携などを中心としたオープンイノベーションの実現や技術の交流、融合の場として、マーケットインの製品開発および設計を促進していきます。新たな東京R&Dセンターは、2014年秋の稼働を計画しています。R&Dセンターの拡充によって、ハイアールグループとして、日本における存在感はますます高まっていくことになると考えています。そうした点でも2013年は、様々な取り組みに向けて基盤を強化する1年だといえるわけです。今年度のハイアール アクア セールスの取り組みにも、ぜひ期待してください」