自作PCパーツを一堂に集めた「2012 AKIBA-PC-DIY EXPO 夏の陣」(主催:ユニットコム)が6月23日~24日、ベルサール秋葉原にて開催された。もはや秋葉原では定番とも言えるイベントで、開催は今回で6回目。来場者数は過去最大の2万人(主催者発表)に達し、会場は大いに盛り上がった。

Western Digitalのブースでは、ウエスタンなコスプレのお姉さんがお出迎え

同イベントには、主要なPCパーツメーカーが参加。ブースでの新製品展示や、ステージでのプレゼンなどが行われる。新製品をじっくり眺めたり、担当者に直接質問できることが魅力だ。特に、"夏の陣"はCOMPUTEX TAIPEI直後の開催であり、そこで発表された最新モデルをいち早く見ることができる貴重な機会となっている。

本項ではこのイベントについて、フォトレポートの形で紹介する。

"改造バカ"で知られるテクニカルライターの高橋敏也氏は、ステージ上でCOMPUTEXについて報告。何の報告かと言うと、もちろんコンパニオンのお姉さん…

……ではなくて、Cooler Masterブースで見つけた新製品についてだ、多分

紹介された新製品は3つ。これはMini-ITXケース「Elite 120」で、ハイエンドのグラフィックスカードも搭載できる拡張性の高さがウリ

これは静音向けのミドルタワーケース「Silencio 650」。ブートドライブを切り替えられるスイッチを備えているのがポイント。どちらも秋頃の発売予定

そしてじつは一番の注目商品がこの「TPC 812」。ベイパー・チャンバーを搭載した初のCPUクーラーで、190~200Wという高い冷却性能を誇る

ベースから出ている平べったいものがベイパー・チャンバー。熱伝達の原理はヒートパイプと同様だが、表面積が非常に大きい

NVIDIAはプレゼンで、Keplerアーキテクチャについて紹介。従来は、最も消費電力が大きくなるアプリ(右端)に合わせてクロックを固定していたが…

新機能「GPU Boost」では、電力に余裕があるときは自動的にクロックを上げて、パフォーマンスを向上させることができるようになった

Boostのクロックは「上限ではない」と説明。GPUクロックと電圧は、BaseとBoostを結ぶ直線上を移動し、余裕があればBoostを越えることも

パフォーマンスを向上させるだけでなく、省電力にも。電力ターゲットを下げる方法と、FPSターゲットを設定する方法がある

例えば、GeForce GTX 670でファンタシースターオンライン2のベンチマークを走らせると、平均FPSは131で平均電力は136W

ところが、FPSターゲットを65に落として、必要最小限のパフォーマンスに抑えれば、平均電力は93.5Wまで下がる

Intelのプレゼンでは、Ultrabookについて紹介。このスライドは、薄さ、起動の速さ、バッテリ持続時間などUltrabookの規定

Ultrabookのロードマップ。現在登場しているのは第2世代の製品で、今年の冬にはWindows 8を搭載した第3世代、来年夏には次世代プロセッサの第4世代となる見込み

Ultrabookを紹介するコーナーでは、CMでお馴染みの虎も。アピールしているのは、製品情報やユーザーレビューを紹介する専門サイト「Ultrabooker.jp

Intelブースの一角では、Core i7-2700Kを使ったオーバークロックの実演も。人だかりができていた

AMDは新型APU「Trinity」を解説。従来型のLlano比で2倍のパフォーマンス/ワットを実現。特にGPU性能を大きく向上させながら、モバイル向けモデルではTDP枠を引き下げることにも成功している

ELSAは、GeForce GTX 680の水冷カードを参考出展。発売は未定だが、リファレンスに比べ、20℃ほど冷却性能は向上するとか

GTX 670のオリジナルVGAクーラー版も。リファレンスよりカード本体が短くなるほか、冷却性能も10℃ほど向上する

HISは、オリジナルの大型クーラー「IceQ X2」を搭載する新モデル「7970 X」を展示。Radeon HD 7970 GHz Editionを搭載する

補助電源コネクタは8+8ピン。電源回路も、18+1+1フェーズに強化されている

出力端子は、HDMI、DVI、Mini DisplayPort×4の合計6つ。Eyefinity 6に対応する

ちょっと見えにくいが、基板上にはLEDが搭載されており、その色で、GPU電圧やファン回転数が分かる

サイズのブースでは、新型CPUクーラー「KABUTO2」が展示。担当者がいなかったので詳細は不明だが、8月の発売予定

新型ファン「隼120」(左)を搭載するとか。ブレードに多数の溝が見られるのが特徴で、14cmバージョンもある(右)

Enermaxも簡易水冷を投入する。12cmファン1個のラジエータを搭載する「ELC120」(右)と、同2個の「ELC240」(左)の2種類がある

ヘッドに採用された同社独自の「Shunt」構造により、効率の良い放熱を実現。9月の発売予定で、価格はELC120が9,000円前後、ELC240が15,000円前後

ASUSは、マザーボードの新モデル「Maximus V Extreme」と「Maximus V Formula」を出展。Thunderboltも搭載する

MSIは、OCマザー「Z77A MPower」を展示。このMPowerシリーズのカラーリングは、グラフィックスカードと合わせたものだとか

GIGABYTEのマザーボード新モデルは「UPシリーズ」。"Ultra Power"の意味で、電源周りが強化されているのが特徴

最上位モデル「GA-Z77X-UP7」は、なんと32フェーズ電源回路。米International Rectifierの「IR3550」チップを搭載している

ZOTACは、Android OSを搭載する小型PC「D426」(左下)を参考出品。持ってみると空っぽかと思うほどの軽さ。WonderMedia製のARM SoCを搭載する

詳細スペックは不明だが、背面にはいろんなインタフェースが見える。10月頃の発売予定で、価格は「1万円を切りたい」(担当者)とのこと

IN WINは、COMPUTEXでも話題となった新型ケース「H-Frame」を展示。なんと秋頃の発売を予定しており、価格は3万円台半ば~後半になりそうとのこと!

玄人志向は、使用量がLEDの点灯で分かる外付けHDDケース「GW3.5TR10-SUP3」をプッシュ。高級感のあるアルミボディを採用しており、9月の発売予定

マイクロソフトのブースでは、「Kinect for Windows」を体験できるようになっていた。「窓辺ななみ」を動かしている

マッドキャッツはフライトシミュレータ用のコントローラを展示。これを全部揃えると10万円くらいかかるらしいが、やってみたい…

恒例のワンコインのガシャポン抽選も実施。ハズレでも500円分の商品券がもらえるので、全く損をしない。1等はCooler Masterのケースだった

なぜか宍道湖産シジミの味噌汁の販売も。あまりの"場違い"ぶりに「売れない」とおじさんがぼやいていた。でも美味しかったです(筆者は購入)

PC-DIY EXPOに連動して、リンクスショールームでは、イベント「超鉄板SSD PLEXTORを体感せよ!」を開催。メーカー担当Addy氏によるプレゼンが行われた

大注目は、このスペシャル仕様のSSD「Ninja」。エンジニアが「どう遊んだら面白いかを考えて作ったもの」とか

データ転送速度はこちら。ファームウェアも特別仕様で、少数限定販売の予定だ(発売時期は未定)

SSD用のベンチマーク「SNIA」での結果。PLEXTORの製品は、長く使ってもパフォーマンスが落ちてこないことをアピール