今回から始まった「レッツ! Windows 8」は、現在プレビュー版として配布されているWindows 8 Release Previewを試用している方々に、同OSの使いこなし術を紹介する連載です。コンピューターには詳しくないが新しもの好きで、既にWindows 8 Release Previewを導入された方や、今後のことを踏まえてWindows 8 Release Previewを導入し、さまざまな検証を行っている方に役立つテクニックを毎週紹介しますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。

さて、一回目となる今回は「Windows Media Centerを有効にする」方法を取り上げましょう。各所で報じられているように、Windows 8および上位エディションであるWindows 8 Proでは、アップグレードパッケージを導入しなければ、Windows Media Centerを使用することができません。DVDビデオ再生に必要な映像/音声コーデックのライセンス料金の問題から、Windows 8/8 Proでは同コーデックの同梱を見合わせました。

そのため、Windows Media Centerも初期状態では有効になっておらず、Windows 8 Release Previewの時点では、上位エディションに同ツールが同梱されるのか不明です。しかし、「Windows 8 Media Center Pack」および「Windows 8 Pro Pack」といったアップグレードパッケージの存在を踏まえますと、下位エディションにおけるWindows Media Centerは"別売り"という存在になるのは確実。

今後のWindows 8におけるDVDビデオ視聴環境がどのように変化するか、このタイミングでソフトウェアベンダーがどのような巻き返しを図るか興味深いところですが、現在のWindows 8 Release PreviewでもWindows Media Centerを試せることをご存じでしょうか。Windows 8 Release Previewのコントロールパネルには「Windows 8への機能の追加」というアイテムがあり、ここから前述のアップグレードパッケージライセンスを登録する仕組みと思われます(図01~02)。

図01 コントロールパネルに用意された「Windows 8への機能の追加」。ここからWindows Media Centerを導入できます

図02 Windows 7でもお馴染みの「Windowsの機能」。メディア機能として取捨選択できるのは「Windows Media Player」のみです

既にお気づきの方は試されていることと思いますが、Windows 8 Release Previewをダウンロードする際に提示されたプロダクトキーを使用することはできません。筆者も気になって探したところ、「Windows 8 Release Preview:よく寄せられる質問」にプロダクトキーが掲載されていました。このプロダクトキーを用いることで、Windows 8 Release Preview上でWindows Media Centerを使用することが可能です(図03)。

図03 Microsoftの公式FAQにプロダクトキーが掲載されています

具体的な手順ですが、「Windows 8への機能の追加」に前述のプロダクトキーを入力し、ライセンス条項を確認してから、機能の有効化を実行してください。この際、どのような機能が有効になるのか示されませんが、製品版で改良させるのではないかと推測します。また、機能を追加する前に土台となるWindows 8側に必要な修正プログラムの導入など、コンポーネントの更新を行う準備に、コンピューターの再起動が必要になることも。筆者の環境では二回の再起動が必要でした(図04~09)。

図04 スタート画面で[Win]+[W]キーを押し、「設定」を選択した状態の検索チャームを呼び出します。テキストボックスに「機能の追加」と入力し、「Windows 8への機能の追加」をクリックしてください

図05 従来のデスクトップに画面が切り替わり、同名のダイアログが現れます。ここで<プロダクトキーは入手済みです>をクリックしてください

図06 プロダクトキーを入力します。正しく認証されたら<次へ>ボタンをクリックしてください

図07 ライセンス条項の確認を求められますので、同意できるようであれば<ライセンス条項に同意します>をクリックし、<機能の追加>ボタンをクリックします

図08 なお、「マイクロソフトソフトウェアライセンス条項」をクリックしますと、ライセンス条項の内容を確認できます

図09 コンポーネントの更新を行う準備が始まります。この際、コンピューターが自動的に再起動しますが、正常なのでご安心ください

再起動を終えますと、従来のデスクトップには導入完了を示すメッセージが表示され、スタート画面には「Windows Media Center」と書かれたタイルが現れます。機能的な差としては、前述のとおりDVDビデオ再生用コーデックが含まれていないなど、気になる点はありますが、基本的な機能はWindows 7上の同ツールと同じ。これまでWindows Media Centerをお使いの方はお試しください(図10~13)。

図10 コンピューターの再起動を終えますと、従来のデスクトップには完了を示すメッセージが現れます。<閉じる>ボタンをクリックしてください

図11 スタート画面には「Windows Media Center」と書かれたタイルが現れます

図12 同タイトルをクリックしますと、従来のデスクトップでWindows Media Centerが起動します

図13 Windows Media Center導入後は「Windowsの機能」のメディア機能の項目として、同ソフトウェアが加わります

阿久津良和(Cactus