その他のFirefox 13の新機能

スタートページと新しいタブページ以外の新機能についても紹介しよう。まずは、初期化機能である。Firefoxメニューの[ヘルプ]→[トラブルシューティング]を開く(もしくはアドレスバーにabout:supportと入力する)。新たなタブが開き、トラブルシューティング情報が表示される(図8)。

図8 トラブルシューティング情報

ページ右上に「Firefoxを初期状態にリセットする」とあり、[Firefox をリセット]ボタンがある。このボタンをクリックすると、ブックマーク、保存されているパスワード、ページ表示履歴、入力フォーム履歴、Cookie以外のデータがすべて削除、初期化される。注意すべきは、この操作を行った場合、元に戻すことはできないことだ。あまり使うことはないかもしれないが、原因がわからず、どうしてもFirefoxの動作が安定しない場合などに試してみるとよいだろう。似たような機能として、起動時に連続してクラッシュした場合(ただし、6時間以内)、セーフモードで起動するといった機能も追加された。

パフォーマンスに関しても改良が行われている。まずは、SPDYプロトコルへの対応である。SPDYプロトコルは、Googleが提唱するHTTPを補完する通信プロトコルである。一言でいってしまえば、従来のHTTPよりも高速に通信を行うことができる。もちろん、SPDYプロトコルに対応したWebサイトが条件となる。これまでは、about:configで設定を変更する必要があったが、Firefox 13では、デフォルトで使用可能となった。それ以外には、

  1. 最適化や遅延読み込みを行い、起動時間を短縮
  2. セーフブラウジングの実装を変更
  3. 長時間使用していないプラグインをアンロードし、メモリ使用量を抑制

といった改良も行われており、性能面でも向上が期待できる。一方、開発者向けの新機能は、以下のとおりである。

  1. ページインスペクタ、HTMLパネル、スタイルインスペクタ、Scratchpadスタイルエディタに合わせて72の改良
  2. column-fill CSSプロパティを実装
  3. ECMAScript 6のMap/Setオブジェクトを試験実装
  4. CSS3 background-positionプロパティの拡張構文に対応
  5. invalid 疑似クラスをform要素にも適用
  6. CSSの回転を表すangle単位に対応