日本ヒューレット・パッカード コンシューマービジネス本部 プロダクトマネージャー 室裕朗氏

2012年、やたら耳にする「軽い・薄い・早い」ウルトラブック。「ウルトラブック元年」という言葉もあるけれど、これまでのネットブックやノートブックと何が違うのだろうか?

PCで「世界シェアNo.1」を誇る日本ヒューレット・パッカード コンシューマービジネス本部 プロダクトマネージャー 室裕朗氏に"HPが考えているウルトラブック"とは何かを聞いた。

――ウルトラブックとは、つまるところ何なのでしょうか。

 そもそもは、インテルの定義する新しいカテゴリです。私どもの解釈としては、従来のPCで、もうちょっとこうだったらいいなということを強化したものになります。

具体的にいうと、PCってスマホやタブレットに比べて、起動が遅いですよね。いままでのPCは、それが当たり前でした。でも、その「慣れ」を改善するべく努力しました。バッテリーの駆動時間についても、ノートPCは電源があるところじゃなくちゃ、なんとなく不安として、利用される場所が限定されてきました。それをできるだけ長時間駆動ができるように改善しました。

「ウルトラブック」には、主に3つの特長があります。1つめが薄くて軽いこと。2つめは起動が早い、レスポンスが早いということ。そして3つめが、バッテリー駆動時間が長いということです。

――日本ヒューレット・パッカードでは「HP Folio 13」と「HP ENVY14 SPECTRE」という2種類のウルトラブックを出していますね。まず「HP Folio 13」について開発の経緯を教えてください。

 「ウルトラブック」として筐体を薄くする際に、犠牲となる部分を極力なくしました。例えば薄くするために、犠牲になりやすいキーボードを大切にしています。キーストロークが薄いと、打ちにくいもの。そこに既存のノートブックと同程度の高さをもたせ、長時間使用に耐えるものにしました。

また、インタフェース類も充実させました。有線LANポートはもちろん、USBも本体の両サイドにあります。

――なるほど。ただ薄くしたわけではない、と。

 中でも最もHPらしいところは質感です。HPはかねてより「素材」にこだわってきました。素材がいいものは、お客様の趣味によらず、「いいものはいいね」ということになります。

ヘアライン仕上げが美しい「HP Folio 13」

最後に「HP Folio 13」の大きな特徴の1つとして、価格があります。もともとインテルのウルトラブックのガイドラインでは、高機能なものを身近にしようということでしたが、各社から出ている製品をみると、10万円以上のものも多いのが現状ではないでしょうか。薄くするためにSSDなどを使うと、どうしても高額になってしまうのです。

――低価格を実現できたのには、やはりHPが世界的なメーカーであるという部分も大きかったのでしょうか。

 そうですね。台数をたくさんつくると、世界的なレベルで流通できるので、格段にコストを下げられるということになります。

――次は「HP ENVY14 SPECTRE」です。こちらは随分趣が異なりますね。

 一言でいうと、「プレミアムウルトラブック」というカテゴリの製品になります。どこがプレミアムかというと、デザイン面です。

特にこだわった点は主に2つ。まずは素材です。製品の見た目をどうやって際だたせるかという部分にHPは取り組んできました。そのなかで、強度などの性能を兼ね備えたうえで、お客様に「お、すごい」と思ってもらえるものとしてたどり着いたのがガラス素材だったのです。

タブレットやTVなど液晶画面に、使ってきたような素材を、カバーだけでなく、パームレスト、タッチパッドに使っています。ピアノのような艶感、素材感。さらには色合いも重視しました。また、「光」もキーワードです。キーボードと、企業ロゴが光る仕様になっていますが、光とモノトーンが合わさったときのデザイン感が高級感を醸し出します。

ガラス面は、艷やかなピアノを思わせる「HP ENVY14 SPECTRE」。トップカバーに室氏の手がくっきりと映るのがわかる

そして、さらなるこだわりはサウンド。サウンドって、実は比較的軽視されてきている部分ですが、現在はもうYouTubeやニコニコ動画などをパソコンで見ている人も多いですよね。PCと音というのは、切っても切り離せない関係です。スピーカーも、本体を薄くすればするほど性能が落ちやすい。そこを、再現するのが難しい重低音にこだわり、薄型で小さい割にはサウンド面に優れています。

また、ボリュームコントローラーが横についているところもこだわりポイントです。マウスと別になっていることで、案外使いやすいんですよ。

――ボリュームコントローラーが横についていて、手で回すというのは、案外アナログな仕様な気がしますが

 実はこのデザインはアナログとデザインの融合を目指したものなのです。元々デザイナーが、プレミアムなものとして、アナログな雰囲気っていいよねということで始まったものです。

アナログの持つ良さを残しつつ、無駄なものをそぎ落とす「ミニマリズム」を追求しています。それこそが“プレミアム”です。そぎ落とした結果、美しいデザインを保ちつつ、14型ディスプレイを13型ノートクラスの大きさのボディに搭載したところも大きなポイントです。

――なるほど。2つの製品がそれぞれまったく趣向がことなるコンセプトで作られたのがよくわかります。これからパソコンを選ぶ人に向けて、メッセージをお願いします。

 PCって、これまではスペックと価格で選ばれるものでしたが、こういった“パッと見で違うな”、と感じられるプレミアム感も大切にしていくべきだと考えます。今後は、そういったものが求められていくのではないでしょうか。

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