組み立て~稼働~反省

全モジュールが完成したら組み立てである。ということでこれも写真でご紹介(Photo47~53)。こう、よく言えば手作り感溢れているというか、悪く言えばもう少し精度考えろよという感じの仕上がりになった。もっとも精度に関しては人間がやってる限り無理という感じではある。実のところこの工作、2人かがりで作ってほぼまる2日を要した。大半はダンボールを切ってる時間だったが、流石に2日目ともなると二人ともヘロヘロで、これで精度を出せというのが無理というか無茶であった。実のところ、こうした加工を綺麗にやろうとしたらカッターとかではなくレーザー加工が一番早い。実際本家Makeのblogを見ていると、しばしばダンボールをLaser Cutterで大量加工とかいう話が出てくる。ただ非常に残念な事に、筆者宅の台所には「どこのご家庭の台所にも1台はあるLaser Cutter」は無く、だからといって外注(たとえばこちら)に出すのはコストと納期の面で論外だし、今回の目的(MTM07における客引き)の目的にはむしろ手作り感ありありの方が好ましいだろうと判断してこのままで良しとした。

Photo47: まずは電源部。電源を治めた後、不要なケーブル類はケーブルタイで留めて押し込んである。ATXの電源ケーブルと、デバイス用のケーブルだけを引っ張り出し、マザーボードユニット底面の穴に通しておく。

Photo48: Photo48:まずマザーボードに電源/リセットスイッチやLED類の配線をしておき、そこにATX電源ケーブルを接続する。ここであまり長めに引っ張るとケーブルが邪魔になって上にモノが積み重ねられないので、ここでの配線は最小限になるようにして電源側で配線の大半が余ってるようにするのが吉。あとSATAケーブルは念のためにロックつきのものを2本用意して接続しておく。

Photo49: HDDユニットではSATAケーブルの片方を接続すると共に、二分岐のSATA電源ケーブルを使って片方をHDD、もう片方を光学ドライブユニットに渡す。

Photo50: 光学ドライブユニットはそのままだと配線ができないので、一旦ドライブを引っ張り出して電源とSATAケーブルを接続、再び戻す形。

Photo51: 全モジュール構成後。なんというか、微妙に前後左右がずれている。

Photo52: 同じ様子を背面から。やっぱりこうなんというか、もう少し何とかならなかったのかというか。

Photo53: 側面から。前後方向のずれも著しい。

むしろ問題は放熱であった。今回、ダンボールの目の方向を揃える事で、横方向に排熱されることを期待したのだが、結果から言うとまるっきり排熱されなかった。グラフ1は、ためしにマシンを連続運転したときの温度変化を測定したものである。といっても、Windows 7を動かし、この上で小さいMPEG1ファイルを連続再生させた程度。消費電力はシステム全体で44~46W程度だった。

さて温度を見てみると、7800秒あたりでいきなり電源排気温度が急に下がっているのが判ると思うが、これは何かというと、あまりの温度の高さにマシンがシャットダウンしてしまっていた(苦笑)。このため電源からは排気されなくなり、こもった熱のために電源本体の温度がやや上がるという事態に陥っていた。一方CPUクーラーの温度は、このシャットダウン直後に77℃まで上がっていた。CPUクーラーでこの温度だから、ダイの温度は85℃位まで行っていた可能性が高い(でないとシャットダウンはしないだろう)。

CPUに比べるとマシとは言え、HDDも50℃オーバー、単に電源を入れてあるだけで何も駆動していないBD-ROMドライブですらピークで40℃を超えていたほどだから、いかに保温性能が高かった(?)か判ろうというもの。お陰でテスト中にスタッフ新1号(旧スタッフ3号)が「ぬくい」とか言いながら上にあがる始末だった(Photo54)。

Photo54: 側面のぎざぎざぶりも気に入ったようで、しきりにあごをこすりつけていた。多分もう少しこのまま放置しておいたら次は爪とぎを始めるだろう。

ということで反省箇所は多数。とにかくActive Fanで強制的に排気を行わない限り、この構造で放熱の問題は解決できないようだ。ただそれをするには60mmという高さではあまり大型ファンが取り付けられないという問題がある。もう少し高さを増やさないと難しいだろう。

内部構造も、枠に20mmは頑丈にできた反面、内部がやたらめったら狭くなった。枠を15mm位にして内部の空間を増やすと共に、ケーブル用の穴の大きさをもう少し増やさないと配線が結構面倒だった。

ということで、今回の試作を参考に、ご自身でも冬の課題工作(?)としてトライしてみていただきたい。筆者もこれを糧に、もう少し構造を改善したものををまたいずれご紹介したいと思う。