スクリーンセーバーをデスクトップの背景として実行する

Windows 7の運用ポリシーによって、存在が希薄化し、雲散霧消(うんさんむしょう)しつつあるスクリーンセーバー。筆者がWindows OSを本格的に触りはじめたWindows 3.0から3.1の時代には、OS標準のスクリーンセーバーと比べて、より工夫を凝らしたスクリーンセーバーが市販パッケージとして販売されたほど。今思えばスクリーンセーバーの役割である、ディスプレイの保護から逸脱し、様々なアニメーションを楽しむ牧歌的な時代でした。

そのスクリーンセーバーが役立っていたのはWindows XPまで。Windows Vistaでは簡易的な位置にとどめられ、Windows 7では初期状態で無効化されるようになりました。しかし、スクリーンセーバーの実体である拡張子「.scr」を持つファイルは「%windir%\System32」フォルダに残されています。これを使って、ちょっとした楽しみ方を紹介しましょう。

そもそもWindows Vistaおよび7のスクリーンセーバーファイルには、隠しオプションとして「/p65552」が用意されており、コマンドラインなどから同オプションを使って起動しますと、デスクトップの背景をベースにスクリーンセーバーが実行されます。つまり、スクリーンセーバーをデスクトップの背景として実行できるということです(図21~23)。

図21 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「cmd」と入力して<OK>ボタンをクリックしますん

図22 コマンドプロンプトが起動したら、「Bubbles.scr /p65552」と入力して[Enter]キーを押してくださ

図23 これでデスクトップの背景部分にスクリーンセーバーの描画が行なわれます。アクティブウィンドウ上には描かれないため、操作の邪魔になりません

ただし、スクリーンセーバーのなかには、単なるブランク表示を行なう「ブランクスクリーンセーバー(scrnsave.scr)」は述べるまでもなく意味がありませんし、写真を切り替えて表示する「フォトスクリーンセーバー(PhotoScreensaver.scr)」を使うのであれば、Windows 7の標準機能を使って背景画像を切り替えた方がスマートでしょう。

なお、終了されるにはタスクバーに表示されたボタンをクリックして、スクリーンセーバーをアクティブにしてから[Alt]+[F4]キーを押します。うまく操作できない場合は「taskmgr」を実行して、直接プロセスを終了させてください(図24)。

図24 起動したスクリーンセーバーを終了させるには、スクリーンセーバーがアクティブな状態で[Alt]+[F4]キーを押します

バブルスクリーンセーバー bubbles.scr /p65552
ラインアートスクリーンセーバー Mystify.scr /p65552
フォトスクリーンセーバー PhotoScreensaver.scr /p65552
リボンスクリーンセーバー Ribbons.scr /p65552
ブランクスクリーンセーバー scrnsave.scr /p6552
3Dテキストスクリーンセーバー ssText3d.scr /p65552

Windows 7で使用できるスクリーンセーバーは上記のとおり。お好みのスクリーンセーバーをお楽しみください(図25~28)。

図25 「ラインアートスクリーンセーバー」(Mystify.scr /p65552)の実行例

図26 「フォトスクリーンセーバー」(PhotoScreensaver.scr /p65552)の実行例

図27 「リボンスクリーンセーバー」(Ribbons.scr /p65552)の実行例

図28 「3Dテキストスクリーンセーバー」(ssText3d.scr /p65552)の実行例

阿久津良和(Cactus