ゲーマーなら、海外のゲーミングPCブランドがうらやましく思ったことが一度はあるのではないだろうか。最新スペックにゲーマー心をくすぐるSFテイストなデザイン、日本のメーカー製PCでは、あまりお目にかかれない内容ばかりだ。しかし、残念ながら、海外のゲーミングPCブランドが日本で展開している例は少ない。日本でも多くのPCを発売している海外メーカーでも、"ゲーミングPCだけは米国のみ"というパターンが多いのだ。そんなさびしい状況を打破する製品がデルから発売された。それがここで紹介するゲーミングノートPC「Alienware M17x」だ。

電源ボタンがエイリアン風など随所にブランドのイメージを盛り込んでいる

Alienware(エイリアンウェア)は2006年にデルが買収したPCメーカーで、エイリアンをモチーフにした独創的なデザインと高いパフォーマンスで欧米のゲーマーを中心に人気を集めている。ヘビーゲーマーの中にはご存じの方もいるかもしれない。その人気ブランドが、いよいよ日本に上陸してきた。しかも、デスクトップではなくノートPCだ。日本の住宅事情を考えた場合、コンパクトで高性能なことに越したことはないが、本モデルはハイエンドなデスクトップPC級の性能をノートPCに凝縮している。ノートPCといえども、性能の妥協したくないゲーマーに必見のスペックだ。

キーボードも大型で使いやすい。実はそれぞれのキーも光る作りとなっている

まず、注目はGPUだ。NVIDIAのノートPC向けとしては最上位となる「NVIDIA GeForce GTX 280M」を2基搭載と、SLI構成となっている。下記のベンチを見ていただければわかるが、最新を高解像度で十分遊べる性能を秘めている。なお、単体のスペックはシェーダープロセッサ数が128基、コアクロックが585MHz、シェーダークロックが1463MHz、メモリーバンド幅が256bit、メモリークロックは950MHz。BTOでは、下位モデルとなるGeForce GTX 260MのSLI構成や単体構成も用意されている。

CPUは、インテルのノートPC向けクアッドCPUの最上位となる「Intel Core 2 Extreme QX9300」をはじめ、Intel Core 2 QuadやIntel Core 2 DuoなどもBTOで選べるようになっている。ストレージはHDDとSSDが用意され、それぞれ2台まで搭載が可能。500GBのHDD×2台のRAID0のほか、256GBのSSD×2台のRAID0といった驚異的な構成も選べるようになっている。OSは、Windows Vista Home Premiumまたは、Ultimateでいずれも64bit版だ。そのため、メモリは最大8GBまで搭載可能となっている。

フルHDのディスプレイに省エネ機能もアリ

ディスプレイは17型ワイド液晶で、解像度は1920×1200ドットのWUXGAとフルHD表示もサポートしているのが魅力。光学ドライブには、DVDスーパーマルチのほか、ブルーレイドライブも選べるので、ハイビジョン動画を美しさを堪能したいという人にもピッタリだ。しかも、GPUにはハイビジョン映像の再生支援機能があるため、CPUに負荷をかけずに動画を楽しめる。

ハイスペックだけに、ACアダプタは弁当箱のように巨大で240Wというデスクトップ級の出力となっているが、本機では3Dゲームのプレイなど、高い性能を必要としないシーンでは、システム全体の消費電力を最大240Wから最大64Wと大幅に減らせる「ステルスモード」を搭載。ウェブサイトを見るなど、マシンパワーを使わないときは省電力PCへと早変わりできる。

240WのACアダプタは非常に大きい。文庫本と比較してもこのとおり

バッテリはパームレストのちょうど背面あたりにある。スペック上の最大駆動時間は3時間26分